うさぎの男の子、くりちゃんは、なんだかいつももじもじしていて、サッカーもへただし走るのが遅いしすぐに転びます。
だから、いつもひとりぼっち。
一方、うさぎの女の子、みかりんは、でっかいしどなるし乱暴だしすぐに怒ります。
だから、いつもひとりぼっち。
その二人が一緒になったある日、自分に良いところがあることを互いに知って、嬉しくなりました。
ところでくりちゃんは、おじいちゃんにもらった宝物があります。
それはきらきらした音を出す不思議な楽器で、それを聴いた全ての人を幸せな気持ちにします。
くりちゃんがそれを奏でた時、みかりんだけでなく、二人のことを欠点だらけだと決めつけている子たちの耳にも届いて……。
自分には良いところが何もないと落ち込んでいるとき、
「そんなことないよ。良いところがいっぱいあるよ」
と言ってもらえたら、どんなに嬉しいでしょう。
反対に、欠点だらけのように見える人にも良いところがいっぱいあると知ったとき、それまでの自分を申し訳ないと思うでしょう。
自分自身や目の前の人を良いと思うか悪いと思うかは、見方次第。
この絵本は、優しい色と文章で、そのことをそっと教えてくれます。