『いばらひめ』は、グリム童話の中ではあまりひねりのない物語だと思います。
バーナデッド・ワッツのまろやかな絵、スベン・オットーのあっさりした絵でそう思っていた『いばらひめ』ですが、エロール・ル・カインの絵を見て、このイメージパノラマに感動してしまいました。
それほど、この絵本はル・カインのマジックで、濃厚な作品に仕上がっています。
招かれなかった魔女の怨念、100年間眠りについたままでいばらに囲まれた城に乗り込むときの王子の冒険、そのほかにも童話には描かれていないものが描かれ、とてもきらびやかなお話になっています。
ル・カインの絵に脱帽です。