平成14年おはなしチャイルド12月号の作品です。
弟or妹が生まれるけいくんが、田舎のおばあちゃんちにあずけられることに…。
おばあちゃんちは、古くて広い。
おふろも一番奥の方。
いつもは、お父さんと入っていたけいくん。
お兄ちゃんになるんだからって、がんばってひとりでお風呂に入っていると…。
4歳の息子には、おおかみがやって来たところでおおうけでした。
おおかみが、洗い場で丁寧に体を洗い、かけ湯をしているシーンがなんとも人間ぽくって、滑稽です。さらに追い打ちをかけるような、湯船に浸かっての調子はずれの歌、これが最高です。渡世の世界の人のような言葉使いも笑えます。
最後にもらい湯にやって来た動物との出会いで、けいくんにお兄ちゃんとしての自覚が生まれたようです。
湯気でくもっているお風呂場の様子も淡い色使いで優しく描かれていて、読んでいるこちらも温まって来たようになる絵です。
シリーズものの中の一冊ですが、この号だけは、手元に残して置きました。
これから、お風呂がしみじみ嬉しい季節。お子さんと楽しんでみてはいかがでしょうか。