本を開くと、山に分け入ったように鬱蒼としている。
ばんばに連れ去られた兄ちゃんを、妹の影法師になった気分で
一緒に助けに行くらしい、くちが一文字だ。
「山神さまの知恵にすがれよ」と教えた爺ちゃんのことば、
ただひとつの灯りをかかげて行く姿に、頼もしさを感じる。
兄妹の愛をひしひしと感じる。
しかしばんばの、捕らえた子等への歪んだ愛情は、
あまりにも哀れで、切ない…、とっても。
「アビローケン!」と、大声で、一緒に唱えて
せわしなく応援する子どもの様子を見ながら
ちょっとホッとした気分になった。
この手の本は正直、苦手だなぁ、力む…。
おつかれさまの、感謝。