父親が早くに亡くなって、おばあちゃんと同居の母子家庭が舞台です。
おばあちゃんは、お父さんの母親でしょうか、お母さんの母親でしょうか。
お母さんはタクシーの運転手をして生活を支えています。
そんな背景を考えながら、物語は読む側に問いかけてきます。
自分の誕生祝いを楽しみにしている娘が待っています。
夜になって、会社に戻ろうとしていた時に、道ばたに倒れている人を見かけました。
見て見ぬふりもできたかも知れません。
でも、お母さんはそんなことはできなかったのです。
倒れていた人を乗せて、お母さんは病院を探し回ります。
途中で投げだすことはできません。
こうして帰宅は深夜になってしまいました。
それでも子どもは、お母さんの帰りを待っていたのです。
真夜中になったお誕生会を想像して、とても切ない思いになりました。
どうして遅くなったのかを、ちゃんと伝えたから良かったのでしょうね。
お母さんの話をちゃんと聞けたから良かったのでしょうね。
きっとわだかまりを残さずに済んだのでしょう。
おばあちゃんの存在も大きかったように思います。
本当の話のように入り込んでしまいました。
自分が母親の位置にいたなら、どのような行動ができたでしょう。
考えさせられました。