年老いた街灯が一度でいいから、星のようにかがやきたいと願うお話は、人間の思いにも共通するところがあって、とても共感できます。
やさしい語り口で進んでいき、また、だからこそ、よけいに街灯の気持ちが、心に響くのではないでしょうか。
たとえば、虫たちに相手にされずとも、希望を捨てないところにはいっしょに応援したくなるし、それから、なんといっても感動のラストには、じんわり胸が熱くなります。
また、それだけにとどまらず、街灯が倒れたあとの、つまり死後の、まわりの様子があまりにリアルなこと。
生きるとはなにか、どのように死をむかえるのが幸福であるか、そして、死とはなにかを、しみじみ考えさせられる物語です。