挿し絵のレトロな感じに惹かれて、私自身が読みたくなった作品です。
「ひとつのねがい」とはだれのねがいだろう?と本を開いてみると、主役はまさかの「がい灯」!子どもたちにはむずかしいかなと思いましたが、小学生の姉たちはもちろん、年中さんの末っ子も今年一番集中して聞いていました。
だれもが気にもとめないような、光の弱くなったがい灯のたったひとつのねがいは、星のようにかがやくこと。
夜になってもまぶしい光が広がっていて、星のかがやきにも気づかないような都会っ子が、見たこともない「がい灯」の淡い光や、ねがいがかなった時のよろこびを真剣に汲み取ろうとしている。
最後にがい灯は倒れてしまうのだけれど、この時がい灯はどんな気持ちだったのかなと議論が生まれる。幸せな気持ちだったのかな。せっかくねがいがかなったのに、倒れてしまってかなしいかな。もう倒れてしまったから、気持ちはないんじゃないかな。。。
絵本っていいもんだなと実感させてくれる一冊です。