ひがら山と呼ばれる山の古い小屋に、ちびおにがおかあさんとふたりで住んでいました。
ある日、ちびおにが言いました。
「人間の町に行ってみたいよ。」
おかあさんは、だめだと言うのに、ちびおにはどうしても行きたくて仕方ありません。
そこで、おかあさんは、上着と長靴、てぶくろ、ぼうしを準備して、行かせることにしました。
鬼といえば、どうしても怖いイメージがあるのですが、おかあさんは逆に人間を怖いものだと思っているようです。でも、ちびおには、本当に天真爛漫。そして優しい心を持っているかわいい鬼でした。
子どもたちとのことばのやり取りや、遊んでいる様子、なんとも微笑ましく思いました。鬼のイメージを変えてくれたお話です。
また、人間同士のおつきあいにも通じるところがあるような気がしました。