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山いっぱいのきんか」 アダム&デヴさんの声

山いっぱいのきんか 作:君島 久子
絵:太田 大八
出版社:童話館出版
税込価格:\1,540
発行日:2005年09月
ISBN:9784887500778
評価スコア 4.59
評価ランキング 5,417
みんなの声 総数 16
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  • 自戒をこめて

     表紙の絵の色使いが綺麗だなと思い手に取りました。

     主人公のランフー。
     背負篭をしょって、月夜の晩に、山へ草刈りに。
     山道が光ってる様子に近づいてみると…。
     銀色の髪のおばあさんのいうことには、
     「今夜は、八月の十五夜さまで、
      山の神が、月の光に金貨をさらす日じゃ。
      運良くそれに出会ったから、これをあげよう。」
     と、金貨を三つもらいます。

     ランフーのキャラクターは、貧しい生活をしていても、特に欲張りそうでも、図々しそうでもないのですが、“光っている山道”を見てしまっては、人は皆こうなるものなのでしょうか。
     
     ランフーが、「もう三枚」と催促するシーンの銀髪のおばあさんの表情が、『この若い衆もただの人間じゃのう〜』という、なんとも呆れた顔つきに見えました。 
     
     小川の石橋の上でのひと休みのシーンで、ランフーの冷静さを欠いた行動に、口あんぐりの息子でした。
     家に着き、再び山へ引き返すあたりから、息子は、「動物たちは、入れ物を持っていないから、口にくわえてくるのかな?」と呆れ笑い。
     もともこもない、いえ、篭もないエンディングに、笑えない話だと気づいた様子。
     
     おばあさんの十五夜の話や、月がおちるシーンなど、表現がとても綺麗で、絵をとおしその情景が音付きでイメージできました。
     絵もやはり私好みで、一家で朝日をうけ下山してくるページも美しかった。
     
     自戒を込めて、息子と再読しました。

    投稿日:2009/10/11

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