私は今回初めてどんくまさんを知ったのですが、ほんわりと包み込むようなお話でとても安らぎました。
うさぎの町に出てきたどんくまさんはありのままの自分で、自分の思うように行動します。それが、人のために頑張ったことも、何気なくしたことも全部人に迷惑をかけるという結果になってしまってしょんぼり、悲しい様子がなんとも切ないです。
けれどこの本に出てくるうさぎさん達は怒りはするものの「まあ いいさ いっしょうけんっめい やって くれたんだからな」とおおらかに受け流してくれます。
なんだかホッとします。うさぎさん達は積極的に歓迎もしていないし、帰るどんくまさんを引き止めもしないけど、「なにをやってもだいしっぱい」な彼を「まちいちばんの ちからもち」「やさしいんだもん だいすきさ」と長所を見つけ受け止めています。いきなりドーン!と受け入れないけど少しづつ相手を理解していくような印象です。本当の人間関係ってこんな感じかもしれないなぁと思いました。
何でもチャキチャキできて、人との関わりもそつなくこなせる人はもちろんかっこいいけれど、大抵の人は何か一つは不器用なこときっとありますよね?私も不器用なタイプなので何かとしょんぼりすることが多々あります。
ちなみに、絵本を読みながらどんくまさんを3歳のわが子に重ねて見ていました。自分で出来ることが増えてきたので色々するものの失敗!お手伝いもしてくれると言い張って張り切ってするものの余計に手がかかるし…ついイライラ。最終的には我慢しきれなくて私が怒り出すこともしばしばだったんですが…反省。私自身どんくまさんなのに子どもの気も知らないで怒っていましたよ。子どもをほんわり包み込める親になろうと思いました。
派手な展開もないしコントラストのはっきりしたお話じゃないのにそっと心に残る絵本でした。