森絵都さんの「にんきものの本」の第4作目です。
今度の主人公は、第3作でけいたくんに近づいた、女子の嫌われ者で男子のアイドル、きさらぎさんです。
前作のけいたくん、こまつくん、かなえちゃんも脇役として登場します。
今回のきさらぎさんは、こまつくんとは違い、男子の人気者のキャラクターとして王道を行きます。つまり、女子には辛らつで男子には甘える典型的嫌な女なのです。
きさらぎさんは、自分でもそこのところをしっかり理解していて、すべて計算づくで行動しているのです。小学4年生で魔性の女を目指すというのも、ちょっと非現実的かという気がするので、今回はちょっと主人公に添うことができませんでした。
ただ、後半きさらぎさんが、自分でも計算できなかった事態に陥り、その結果、以前より人間臭くなって女子からも少しずつ受け入れられていくところは、結構楽しく読むことが出来ます。
前3冊より、ちょっと漫画チックになっています。前3冊を読んだ人は流れで読んでみると楽しいかなという感じです。