空を飛ぶことに先祖代々強烈に惹かれ続けているくま。
強い憧れがあるので、いつもなんだか満たされず、いつもなんだか心が寂しい。
くまとは反対に、チーズがあれば幸せなねずみ。
この二人の親友の心の変化を丁寧に追った作品です。
絵本というより、ちょっとした寓話という感じの本です。
何かに強く憧れること、何かを欲すること、なにかに挑戦すること、そして、自分から旅立っていく友を見送ること。
いろいろな気持ちが淡々とした文章から、読者に伝わってきます。
現実にちょっと悶々としてしまう時がある大人や、思春期の子どもが読むと、なんだか考えさせられるような、そしてちょっぴり元気になれるような本でした。