図書館で、2歳の娘が、知らないうちに借りる本に混ぜていた本です。
家に帰って、なんだかかわいらしい題名の本ね、と軽い気持ちで読み始めました。
お話は、一年生のしんのすけくんのおねしょの話から始まります。
夏休み、お腹の大きいお母さんを置いて、おばあちゃんの家に一人で泊まりにいった日も、やはりおねしょをしてしまって・・・正直に言うしんのすけを誉めてから、おばあちゃんは、自分が戦争中に病気の弟についた一つの嘘について話し始めます。
キャラメルが大好きな弟、でも、戦争中だからキャラメルは手に入らない。
そこで嘘をついたのです。
庭の木にはキャラメルがなる、もうすぐたくさんなるからね、と。
その夜に弟は亡くなった、そんな悲しいお話でした。
そして、秋になり、妹が生まれてすぐに、おばあちゃんが倒れました。
「おばあちゃんは嘘をついたの」その言葉がしんのすけの耳に聞こえた気がしました。
次の日、入院中のおばあちゃんのところへ、しんのすけが持っていったのは・・・。
軽い気持ちで読み始めた私は、涙が止まらなくなりました。
しんのすけくんは、子どもなりに、おばあちゃんが、過去の嘘に心を痛めていることが分かったのでしょうね。
その嘘を嘘じゃないと安心させてあげたかったのでしょうね。
最後はまた、しんのすけくんのおねしょ。
おねしょの布団を干してから、そっとおばあちゃんの遺影にキャメルを一粒お供えします。
おねしょなんかしたっていい!
こんなに優しい心に育ってくれてるんですもの。
おばあちゃんは、しんのすけくんのおかげで、きっと救われたような気持ちで天国にいけたと思います。
そして天国で、弟さんにも、「気にしないで」って言ってもらっていることでしょう。
こんな素敵な本に出会わせてくれた、娘に感謝です。