最初に読んだ時は「うひゃ〜」という感じでした。
主人公の「ぼく」がおかあさんにこんなことしないでほしいと思っていることが、まさに私のやっていることだったんですもの。
「わかった?」って最後につける(時々その後に「わかったら、返事しなさい」というのもついたりします)し、子ども部屋を「も〜このぶたごやみたいな部屋はなに?」なんて言っちゃいます。
母には耳の痛い描写が続きますが、反対から考えれば、これだけ子どもが成長してきたということ。お母さんへの「ぼく」の手紙を読みながら、「ぼく」は着実にお母さんと共に大きくなってきたんだということが伝わってきます。
文章の中で、さらっと母子家庭であることにも触れ、二人がなんやかや言いながら、お互いに支えあって暮らしてきたことも窺えます。
「ぼく」の手紙では、ガミガミおばさん人形風のおかあさんの姿も、最後のページでは、優しそうな生きているおかあさんになっているところもなかなか心憎いです。
絵本の形はとっていますが、あまり小さい子には向かないと思います。
親が子どもに読み聞かせる本というよりは、小学校中学年くらいからの子どもが、自分で読むのに良い本だと思います。
面白さの中に、ほろりとするものがある絵本です。