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Maiyon

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自己紹介
絵本選びは、イラストと文章のセンスを一番重視しています。

Maiyonさんの声

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自信を持っておすすめしたい 映画化されたらいいと思う絵本  投稿日:2012/04/10
ケーキやさんのゆうれい
ケーキやさんのゆうれい 作: ジャクリーン K. オグバーン
絵: マージョリー・プライスマン
訳: 福本友美子

出版社: フレーベル館
子供にせがまれて何も考えずに読んであげたら、クライマックスではそれまで考えてもいなかった意外な展開に、涙がどっと溢れてしばらく読むことが出来ませんでした。

ディ●ニーあたりで映画化してくれたら親子で楽しめる名作になりそうな、優しい感動を与えてくれる絵本です。

しっかりとしたストーリー、見せ場、ディテールの描写、魅力的で味わい深いキャラクターの人柄とその表情、どれも絵本の世界だけではもったいないと思える作品に、久し振りに出会いました。

登場人物が、何とかして人を喜ばせようとする様子や、人の痛みや寂しさを理解しようとする思いやりを描いた作品には、いつも爽やかな感動を与えられ、日常では起伏が乏しくなった感情を大きく揺さぶってくれます。

図書館で借りて読み、すぐこちらに投稿しましたが、この後早速購入しようと思います。

文章は描写が細かくて詳しく書かれているので、幼稚園の年長さんくらいから以降、小学生向けかもしれません。
参考になりました。 1人

自信を持っておすすめしたい 幻想的なサーカスのイラストとダヤンの嫉妬  投稿日:2012/01/22
マージョリーノエルがやってきた
マージョリーノエルがやってきた 作・絵: 池田 あきこ
出版社: ほるぷ出版
サーカス団のイラストがわちふぃーるどらしい独特で絶妙なセンスで、それだけで一見の価値ありですが、ストーリーも独創的で読み応えがありました。

今回は、多才で人気者の友人ジタンにダヤンが嫉妬するお話ですが、結局ダヤンはその嫉妬心とどう折り合ったのか、結末がなかなか見物です。ダヤンの精神が経験を経て一つ大人になる一ページで、思わずニヤリとさせられました。

拍手喝采を受ける友人を見て、それが自分だったらどんなにいいかと羨望し、そして自分にだって出来ないはずはないと、努力もせずに思い上がってみる若さ。あのかわいらしいダヤンなだけに微笑ましく読みました。

ダヤンの扁桃腺が腫れて寝込むシーンや、一輪車が意志を持って自走して去っていく様子など、センスの良いオリジナルの描写がここでも光っています。

サーカスを扱っていることと、ジタンの思いやりがあってでもどこかつかみどころのない不思議なキャラクターなども相まって、いつもより更にノスタルジックさもたっぷりです。


参考になりました。 0人

ふつうだと思う タイトルと表紙を見て期待し過ぎだったのかもしれません  投稿日:2012/01/14
たったひとつのねがいごと
たったひとつのねがいごと 作: バーバラ・マクリントック
訳: 福本友美子

出版社: ほるぷ出版
多分誰でも話の途中で結末が分かってしまうと思います。

あくまでも個人的な感想ですが、
あ〜あ、そういう結末だったらつまらないな〜と思いながら読み進めていくと、本当にそういう結末だった…。

結末が予想出来ることそのものは仕方ないんですが、
そのパターンは使い古されているものでした。

予定が変更になる前の主人公の元々のお願いも結局非常に即物的…。
母猫が病気である設定と何の絡みもないところが大いにひっかかりました。

それに骨を兄弟みんなの前で見つけておきながら、願いはあくまで自分の欲望を満たす為だけのものでした。だからこそそれはだめになってしまうのかもしれません。

この行為に違和感を感じないような幼い主人公のイラストだったらここまで気にならなかったかもしれませんが、この本のイラストでは主人公は子供っぽく描かれてはいません。

タイトルと表紙を見て勝手に名作的な感動を期待したので、がっかりしてしまいました。

イラストに関しては、衣装や建物のセンスもキャラクターの表情も豊かで、本当に素晴らしいです。
参考になりました。 4人

自信を持っておすすめしたい 子供の読解力を鍛えるのにいい作品  投稿日:2011/12/26
ダヤンのおいしいゆめ
ダヤンのおいしいゆめ 作・絵: 池田 あきこ
出版社: ほるぷ出版
これは小学校高学年向け以上かもしれません。

大人が読むと、なんだか若い頃の恋愛の失敗を思い出してほろ苦くなって、苦笑してしまうような、そんなお話です。

ラストの一文、こう書かれています。

『ダヤンはこころのそこからほっとして、おもわずわらいだしました。わらいながら、なみだがポロポロこぼれました。』

この心理描写を子供が読み取れたら、国語の読解力を鍛えるよい訓練になると思います。

引きこもって同居のダヤンに依存しきる暗いバクの嫉妬と絶望感と、バクがいると便利だけどその束縛と依存心に息苦しくなって遂に家に帰らなくなるダヤン…。

…この二人の感情は、まるっきり男女の同棲の成れの果ての状態と同じなんです(笑)。

そして遂に別れても、互いに相手の幸せを遠くから願い、存在しなくなった寂しさに少し切なくなる心境…。

男女に限らず、ダヤン達のような友達関係でも、同居してどちらかが極度に依存しだすと、確かにいずれこのような結末を迎えるのものだろうと思い、うなずいてしまいます。

イラストに関しては、割と初期の作品なんでしょうか、同作者のほかの作品に比べるとまだ荒削りですね。

絵本にしてはシュールなストーリーと、複雑な心理描写の興味深い一冊です。
参考になりました。 0人

自信を持っておすすめしたい わちふぃーるどシリーズの入門編  投稿日:2011/12/26
ダヤンのたんじょうび
ダヤンのたんじょうび 作・絵: 池田 あきこ
出版社: ほるぷ出版
ノスタルジックでちょっぴりシュールで、そしてどことなくほろ苦さのあるシリーズですが、こちらはシンプルで子供が馴染み易い一冊だと思います。

自分の誕生日を知らなかったダヤンが、三人の魔女に誕生日を見つけてもらって誕生日パーティーを開きますが、その場で予想通りすったもんだあるお話です。起承転結しっかり起伏があって、ストーリー的には分かり易く最後のまとまりもよく、子供の絵本らしい作品だと思います。

このシリーズの素晴らしさは、ミステリアスで独創的なイラストと、文章の細かな独特の描写なんですね。

三人の魔女が順番にそれぞれ違った得意の魔法を掛けていく様子やパーティーの様子、怒った登場人物の報復の意外なその方法など、子供にはたまらずわくわくしてきます。そして最後は親友ジタンの機転で事態は収拾します。

文章のテンポのよさが耳に心地よいのか、子供はとても気に入って、かなりの回数読んでやっています。
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なかなかよいと思う 子供にどうしても見せておきたかった。  投稿日:2011/12/21
のにっき−野日記−
のにっき−野日記− 作・絵: 近藤 薫美子
出版社: アリス館
我が家では日頃から死や、死後生き物の死骸はどうなるかということ、人間や哺乳類の体の仕組みについてよく対話し、我が子もとても関心があるようなので購入しました。

うちでは多少の免疫があるので、腐ってゆく死体の描写はそれほど衝撃は受けていないようでしたが、親を亡くすイタチの様子など、とても心に残る物があったと見えて、度々持ってきて読んでくれとせがみます。
(ちなみに、本文はなく、虫の小さなセリフのみなので、読み聞かせる絵本ではないのですが、絵を見ながら子供と対話する感じです。)

以前誰かの言葉で、『現在の日本では、水洗トイレや火葬での埋葬が徹底されている為、生き物が腐ったり排泄物が身近にあるとどうなるのかということについて免疫がない為、死や死んだ生物の実態について身近に実感しにくくなっている。』という文を読みました。

そのため、我が家では幼い頃からそういったことを包み隠さず分かりやすく教えておきたいと考えていたので、この本はとても役に立ちました。

大人の個人的な目線からなんですが、やはり少しでも文章があるとありがたかったです。また、腐っていく描写は思ったより少なく、割とソフトです。だから、小さい子供に見せるには安心です。ですが、小学生くらいで、こういったことに関心がある子には少し物足りないかもしれません。(グロテスクな映像や絵に耐性のある私にはかなり物足りないです。)

この件について、子供を持つ私の妹と話し合ったところ、妹は幼いうちはそういう物を見せたくない方針とのことでした。同じような教育方針の方にはこの本はあまりお勧め出来ません。
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自信を持っておすすめしたい 自然の中の雨音を感じられる幻想的で素敵な絵本です。  投稿日:2011/12/21
雨の木曜パーティ
雨の木曜パーティ 作・絵: 池田 あきこ
出版社: ほるぷ出版
突然の雨、雨宿りをするダヤンが一匹のカエルと出会って親しくなり、不定期で雨の木曜に開かれる自分たちの雨のパーティーに招待するお話です。

イラストがとても幻想的で素敵です。
自然の中の雨音や、匂いが伝わってくるようです。

雨宿りをしながら二人で冷たいお茶を飲む描写、曜日の感覚のないカエルに、小石に絵を描いてなんとかして説明を試みるダヤン、パーティーの開催地のネズミの家に入りきらないワニのイワンが、沢山のカエル達に向かって『濡れるのが好きな者同士、俺達は外でやらかそうぜ(楽しもうぜ)』というセリフ…、どの描写も、独特で微笑ましい雰囲気に仕上がっています。

ダヤンのシリーズでは、私の中では3位以内で気に入っています。こちらはシリーズの他の作品のようなほろ苦さは少ないです。

雨の日に子供に読み聞かせてやるのにもってこいですし、ストーリーもイラストも大人の鑑賞にも十分耐えうるセンスのいい絵本です。
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自信を持っておすすめしたい とてもほろ苦いお話です。  投稿日:2011/12/21
マーシィとおとうさん
マーシィとおとうさん 作・絵: 池田 あきこ
出版社: ほるぷ出版
ダヤンの親友の(ウサギの)マーシィの、お父さんを描いたエピソードです。

マーシィの母親は評判の働き者で、父親はギャンブル好きの放蕩者。沢山の妹や弟達の面倒をよく見るマーシィ。

結末の衝撃は子供向きの絵本ではあってはならないような(!)やるせない展開なんですが、私はとても気に入りました。

絵本は子供に夢を与えてくれる物で、私もそれを期待して絵本を購入しますが、こういう形で世の中の現実を子供に伝えるのもまた、それはそれで意義のあることだと感じました。

この絵本のストーリーは子供にとっては非常にシビアでシニカルなものになっています。でも、世の中には模範的なよい親ばかりではないのが現実です。公立の小学校へ行けば、地域によっては、様々な形態と事情を持つ家庭の子供がいるでしょう。

私の人生でも、このマーシィのお父さんのような放蕩者は幾人か身近に目にしました。

でも、ダヤンシリーズなので、そういう現実でも世界観にユーモアと愛と救いがあって、マーシィがこの先逞しく育っていくのが想像出来ます。

大人向けと捉えられる本かもしれませんが、私は子供にも世の中を少しずつ教えていくのに読み聞かせたい一冊です。
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あまりおすすめしない 「親切」と「要領が悪い」のは別物。  投稿日:2011/12/21
パンタのパンの木
パンタのパンの木 作・絵: そがまい
出版社: 小峰書店
大好きなパンをいつもみんなに分け与えていたら、最後はみんながお返ししてくれた(もしくは直接返してもらえなくても、他の人から親切にされる)ということが言いたい本だというのは理解できますけれども、この本の少年は、親切なんじゃなくって、ただの間抜にしか見えません。

空腹で倒れそうな登場人物に分けてやるのはまだしも、小狡い登場人物にまで毎回アッサリ持って行かれるんですよ。何故毎回毎回木に実ったパンを根こそぎ全部渡してしまうのでしょうか…。(渡してしまうというより、あっけにとられている間に持っていかれるという場合もあるんですが)それも合計5回も。

ふざけたネズミの親子に持っていかれた時には、読み聞かせているこちらのイライラも最高潮。

どう見てもパンタは優しい子というより、要領の悪い子。

子供に親切や思いやりを教えてやることは親の務めですが、世の中に生きて行くのに要領というものも教えてやるのもまた親の務め。

ラストのまとめ方も無理やり感が強く、なんだこりゃ…という絵本でした。

主題自体はいいと思うんですが。
パンの種を蒔いたら木にパンが実るっていう発想も面白いと思います。
我が家の3歳児には楽しかったようで、喜んでいます。
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なかなかよいと思う 小さい女の子は楽しめるのではないでしょうか  投稿日:2011/12/08
プリンセス・リリー
プリンセス・リリー 作: ブルクハルト・ヌッペナイ
絵: モニカ・フィンスターブッシュ
訳: 栗栖 カイ

出版社: ブロンズ新社
イラストの世界観がとてもメルヘンチックでかわいらしいので、小さい女の子には十分楽しめる内容だと思いました。

大人目線からではストーリーのオチが物足りないこのシリーズですが、こちらはこれはこれでそんなに気になりませんでした。

普段から人の為に尽くしている主人公だから、困った時は友達みんなが協力して助けてくれる……いいんじゃないでしょうか。日頃の行いが自分に返ってくるという、いい意味の教訓です。

オシャレしたリリーを『なんだか案山子みたい…』と友達達が評する場面も私はそんなに気になりませんでした。その代わりちゃんと素敵な衣装を用意してくれるような友人達なんです。
トンチンカンなコーディネートのままパーティーに行かせるより、正直に言ってあげる方が本当の友達では?

この辺のフランクな物言いは、欧米の作家の作品ならではな感じです。
(日本人にはひっかかる感覚かもしれません)

リリーも別に傷ついたというより、いまからでは間に合わなそうで困ってヘコんだだけと私は受け取りました。

同じシリーズのバレリーナの本や秘密のレッスンよりは個人的にこちらが一番お勧めです。(イラストの世界観を子供が気に入っているので、全部持っています)
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