![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
春から小学生なのに、指しゃぶりがやめられないまーくん。お母さんは心配で「お外で指しゃぶりをしてたら はずかしいよ!」とすぐ怒ってしまいます。でもまーくんには逆効果。「ずーっと指しゃぶりしてやるぞ!」とぷんぷん怒って、お母さんから逃げるように走り……柵に囲まれた森までやってきました。看板に「くせのあるどうぶつえん」と書かれています。
中に入っていったまーくんが出会ったのは、うつ伏せで寝るせいで鼻を押しつぶしたネコ、口で呼吸するくせで行儀よく食べられないカンガルー。爪を噛むくせで、前歯が隙間だらけのパンダも! つまり、“やめられないくせ”のある動物ばかりだったのです。「かっこいい!」と、まーくんが思ったワニでさえ、歯がガタガタ。頬杖をつくために顎のバランスが悪くなったんですって。指しゃぶりを続けながら動物たちを眺めていたまーくんの口の形も、いつの間にか変わってきて……!?
子どもの成長期の「くせ」が体へ影響することを本書は教えてくれます。ただ叱るだけじゃなく、「くせ」が体に及ぼす影響を親子で考えるきっかけになったらいいですね。
個人的には“なかなかやめられないんだから「くせ」なんだし、怖がらせても……”と思ったのですが、一緒に読んでみると、子どもは意外と平気そうな顔です。「怖いものみたさ」というのでしょうか。きっと「くせのあるどうぶつ」がおもしろくて、ちょっぴり心当たりがあると余計ドキドキしながら読むかもしれませんね。
カワダクニコさんの絵は親しみやすくユーモラス。歯科医師の伊藤織恵さんが監修されています。「生活習慣を見直すことで、歯並びや顔立ちはよりよく整えていける」というメッセージが印象深い本。巻末にチェックポイントもあるので、子どもの“頬杖”や“爪噛み”、“指吸い”などに悩む方は手にとってみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
子どもの身体は成長段階にあるため癖(態癖)によって、小さな負荷でも歯並びや噛み合わせに悪影響を与えてしまいます。 こどもの癖(態癖)を気が付かせてくれる絵本です。
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