立ち止まり心に抱いて歩んでいける『出会い
|
投稿日:2009/07/18 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
タイトルと表紙を見て、おや?っと思いました。
“子ぎつねヘレン”といえば、『子ぎつねヘレンがのこしたもの』の竹田津 実さんの作品ではないのか?と。
巻末を見て、映画『子ぎつねヘレン』の脚本を担当した方が、この絵本の作者 いまいまさこ さんだと解って、納得でした。
この絵本は、映画の『子ぎつねヘレン』に沿って、描かれた絵本です。映画を観た方なら、その記憶がよみがえり、再び、涙されると思います。
ヘレンが亡くなった1年後。
どんな命も この世界に生きたしるしに おくりものを のこしていく
ぼくは それを みつけよう
扉絵の前から、お話が始まる形で、映画のような演出がここにも見えます。
主人公のぼくは、ヘレンと出会った所から回想し、おくりものを一つずつ見つけていきます。
頼りない命が、人間の少年をそして家族を変え、気づかせてくれた大きな存在であったことを伝えています。
私は、“ぼくの生きている世界にも、つかまえておきたい瞬間がたくさんある”という、2つ目で、もうウルウルでした。
最後の10個目で、ダメでした。
出会いは、儚く通り過ぎて行くことが多いものですが、このように人生のどこかで、立ち止まり心に抱いて歩んでいける『出会い』は、その人の“大切な宝もの”になるのでしょうね。
10歳の息子は、「忘れられないだろうね、ヘレンのこと」って、ティッシュを一枚引っ張って、隣の部屋へ。
こどもたちだけではなく、私たち大人にも様々なメッセージを伝えてくれる一冊です。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
絵が笑わせてくれます
|
投稿日:2009/07/16 |
けいご!さん 30代・ママ・福岡県 女の子10歳、男の子6歳
|
ありえないこと続出で、おどろきと笑いが止まらない絵本です。
ページに使われている紙の素材と、登場人物の雰囲気、景色の描かれ方などがレトロな感じで、ちょっとなつかしい夏のひとときかな。
もちろん、なつかしさに浸るよりも、おかしくって笑うことに時間を割いてしまいましたが。
このお話では、色がうまく使われていると思います。色の対比があってこそ、おもしろみが増すわけです。
私もきんぎょさんみたいに、海水浴に行きたいなあと思いをはせてしまいました。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
「犬飼いた〜い病」再発!
|
投稿日:2009/07/18 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
犬大好きの戌年生まれの私。見逃すわけにはいきません。
ファーガスがとっても可愛らしい。ウエスティー(ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア)かな?
「いいこだ」っていうから、どんなお利口な事をしたのかと思ったら……。
ペットことにワンちゃんは、癒されますね。
飼い主を信じ、ますっぐ胸の中に飛び込んで来るんですもの。
ファーガスは、家族に愛されている満足感と、自信で伸び伸び育っています。
どの、ショットも口元が緩んでします。
ズームアップ気味の表情は、ファーガスが本から飛び出してきそうな勢いがあります。
「犬飼いた〜い病」が再発しそうな息子です。
ホントに満足、私もウエスティー欲しくなっちゃいました。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
かわいい!
|
投稿日:2009/07/16 |
けいご!さん 30代・ママ・福岡県 女の子10歳、男の子6歳
|
セミの幼虫を「種」と呼んで、植木鉢に入れて大事に大事に育ててる女の子。どんなときも自分のそばに植木鉢を置いて、土から出てくるのを待ってる姿は、ほほえましいものでした。
幼虫が成虫になる姿がはっきりと描かれていて、これを見ると、本当のセミのようすが見たくなります。
ただ、?と思ったのは、セミが成虫になったとき、まだアサガオが発芽していなかったこと。アサガオが芽が出るのはもっと早い時期なんじゃないかなあって、ちょっと突っ込んでみました。
でも、この本は、セミと女の子が主人公だから、いいんですよね。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
お米に関する“総合学習”
|
投稿日:2009/07/16 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
息子が稲作の授業を社会科でちょうど学び、5月に田植え体験をし、バケツ稲も育てている最中です。秋には、刈り入れ体験もする予定です。非常にタイムリーな出会いでした。
お茶碗一杯にお米が何粒入っているか、疑問を抱いた主人公に、こめとのさまが助言をし、数える工夫が始まります。
現在でも、1合(180cc)の単位が残っている理由や、石高が、当時の大名の力をはかる単位として、いかに解りやすいものであったかまで説明されています。
そして、本題です。
米つぶ1つを人間1人に換算しての考察。
10万つぶは、2キロのお米。2キロのお米の袋に10万人が入っている…っていう具合に。
そして、現在の日本の総人口をお米で換算し……。
最後は、日本の心を守るため朝もお米を食べようという終わり方です。
この一冊で、お米に関する“総合学習”といっても良い内容の濃さです。
私も一緒に、勉強しました。
小学4〜6年生に、いかがでしょうか。
|
参考になりました。 |
|
1人
|
|
|
お化けに親近感♪
|
投稿日:2009/07/16 |
けいご!さん 30代・ママ・福岡県 女の子10歳、男の子6歳
|
表紙を開けて、とびらの絵はとっても怖そうで、これから始まるお話がどんなにおどろおどろしいんだろうと、恐れてしまうのですが、お話の内容はいたってほのぼのです。登場人物がお化けだってことを除けば。
人間と同じように夏の暑さを感じ、暑さにも負けない子どもたちがおり、夏の風物詩を楽しんでいるようすに、親近感をおぼえました。
井戸やそうめん流し、昔ながらのお風呂など、今じゃめずらしくなったなつかしいものも登場して、古き良き日本のくらしを垣間見ることができます。
ぜひ、この夏の暑い日に読んでもらいたい一冊です。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
静けさから響く音まで感じます
|
投稿日:2009/07/15 |
けいご!さん 30代・ママ・福岡県 女の子10歳、男の子6歳
|
夜の静かな森のなかのようすが、美しい絵とことばで表現されていて、絵本でありながら、静けさや響く物音まで聞こえてきそうな気がしました。
はりねずみくんの心の優しさ、友達想いなところも心にしみてきます。
いろんな生き物が登場しますが、どの生き物もみんな夜の森のなかで物静か。落ち着いて見えました。
子どもが寝る前の一冊として読み聞かせにぴったりだと思いました。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
濃厚なユーモア絵本
|
投稿日:2009/07/16 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
まず、表紙。「ユーモアな内容かな?」と期待しちゃいます。
カトリーン・シェーラー?知らない。知らないぞ。初めて聞く名前。
扉絵からストーリーは、始まっています。
[1ページ目に、この絵本のお約束を読者に提示。]
ここは、きつねとうさぎが「おやすみ」をいう場所。
ここで、きつねとうさぎのぼうやが会ってしまいました。
きつねは、『ごちそうだ』。
うさぎのぼうや、どうするどうする。
ペロリと食べられてしまいそうになるうさぎくん、知恵をはたらかせ、「お約束」を持ち出し、きつねを…。
絵がとても素晴らしい。
毛並みまでわかる筆致ながら、リアルなのに どのキャラクターも愛らしくユーモラス。
中でも、恐いきつねを手玉にとって、「お約束」攻めで言いくるめるうさぎくんの論客ぶりの表情と、自信たっぷりな態度。
はて?ポカーンとしているきつねの表情と、頼りない様子。
これが対照的で面白いんです。
息子に一番うけたのは、きつねの寝顔。二人で笑いました。
寝てるときは、みんなかわいいんですよね。
うさぎの親の反撃に、またもぼうやは、「お約束」を持ち出して…。
あぁ〜〜〜〜〜、この次のシーンもおかしくっておかしくって。
最後のページも、最高です。
文も絵も、久々に濃厚なユーモア絵本を楽しめました。
カトリーン・シェーラーさんのほかの作品も、日本で読めないのでしょうか。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
やる気をおこしてくれる本
|
投稿日:2009/07/15 |
けいご!さん 30代・ママ・福岡県 女の子10歳、男の子6歳
|
人生で迷いが生じたとき、改めて読みたいなあと思いました。
何が起こってもだいじょうぶ。どんどん行きなさい。と作者は読者の背中を押してくれます。それと同時に、人生は山あり谷ありであることも教えてくれます。人生ってつらいこともあるんだよって言いつつも、読者はなぜか悲観的にならないんです。それは、作者の文章力と絵の力でしょうか。作者の言葉を読んでいると、どんなにつらい場面でも元気がでてくるのです。そして、地球上ではなさそうな異空間を歩く男の子の絵に、夢をふくらませてしまうのです。
大人も子どもも元気に前へ一歩踏み出せる、そんなきっかけを与えてくれる絵本だと思いました。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
偉大な 我が手を respect!
|
投稿日:2009/07/16 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
普段は気をとめることもない私たちの体。
ケガや病気になると改めてその役割の多様さに気づき、どの部分一つとっても、不要なものはないんですよね。
この絵本は。「手」です。
楽器、コップ、日除け、団扇、メガホンなどなど、出てくる出てくる。手のおしごと。
「そうそう、そうだよね。」って、読みながら、自分の手をながめ思わず偉大な我が手をrespectしちゃいました。
さらに、まだある手のしているしごとを………と紹介。
そして、点字が出てきます。
読みながら、点字に触れる貴重な体験ができます。
息子が感心していたのは、赤ちゃん同士が向き合ってお座りしている絵に「手だけで遊べる。」と書いていた部分です。赤ちゃんがアババーと言いながら、おててをブンブンしていて、二人とも楽しそう。
「そうだよナ〜、ぼくもこうしてたでしょ。」って。
最後のページの
“手って、心が出たり入ったりするところかもしれない”
の文が良い〆になっていると思います。
画面割りが、工夫されていてどのページも無駄がありません。
小学校高学年まで十分に、考え楽しめる一冊だと思います。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
理に適った説得に大うけ
|
投稿日:2009/07/12 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
イギリスの絵本作家さんです。
表紙もさることながら扉絵に、一笑いして、期待しながら読みました。
せっかく海に来たのに、「太っておしりが大きくなり、水着がちいちゃくなって、泳ぎに行かない。」って、すねてるお姉ちゃんをなぐさめ説得している妹の語りで始まります。
おしりも個性。その個性を「大事にしなきゃ」って、色々な人を引き合いに出し語ります。
女王陛下、エスケープマジシャン、アメリカ西部開拓時代のガンマンまで話に出てきて、イギリスの歴史教育はすごいなと思いました。
さらに、シンデレラ、白雪姫まで引っ張り出してきて、理に適った説得に大うけです。
最後のおちがなかなかです。
女子小学生ばかりではなく、男子にも楽しんでもらえる絵本だと思います。
息子は、「ハハハハハ〜〜〜〜〜」と満点大笑いでした。
いつか、お話し会で読んでみたいと思います。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
すごい!
|
投稿日:2009/07/15 |
ことままごんさん 40代・ママ・広島県 女の子10歳
|
「すごい!」
この本を手になさった方なら必ずおっしゃる言葉だと思います。
身近にいて当たり前の生き物だけど、
その生態はよく知らない代表格の生き物ではないでしょうか。
写真が大きくリアルなので、苦手な方は辛いかもしれませんが、
小さなお子さんにはまだ苦手意識がないと思うので、
小さいうちにご覧になるといいかもしれませんね。
うちの娘はいまだにミミズも素手で触わるような子なので、
本当に興味を持ってこの本を読んでいました。
「ミミズの寿命ってどれくらい?」とか、
さらに疑問を投げかけられ、困りましたが、
この本を契機に自然への興味がさらに湧くというのは、
頼もしく、素晴らしいことだなと思いました。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
思春期の始まりに
|
投稿日:2009/07/15 |
ことままごんさん 40代・ママ・広島県 女の子10歳
|
小学校も高学年になってくると、
特に女の子はいろんな思いを持ち始めるようです。
何かはっきりしないモヤモヤした気持ちが生まれ始めるみたいで、
なんでもないことに癇癪を起こしたり、
友達とのささいなことが不安の種になったり。
思春期に入り始めたのかもしれないと思いました。
そんな時に、この本を読みました。
このモヤモヤした気持ちは自分だけのものではないこと、
モヤモヤした時にどんな風にしたらいいのか、
子供心に感じたようです。
この本を読むことで全て解決する訳ではないですが、
問題解決のヒントは得られるのではないかと思います。
お子さんが思春期に入りかける頃に読まれると
とても良いのではないでしょうか。
少し大きなお子さんにお勧めしたいと思います。
|
参考になりました。 |
|
1人
|
|
|
心に根付く“自信”と“充実感”
|
投稿日:2009/07/11 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
魔法には、「嫌なまほう」をかけられて、『とけてよかった〜』というものと、「素敵なまほう」をかけられて、『とけてちょっと残念』っていうものがあると思います。
このお話は、後者かなと思うんですが、でも、ちょっと『残念さ』が違うような気がします。残念だけれども、心の奥にしっかりと根付く新しい体験による“自信”と“充実感”。そして、一生忘れない大切な思い出。
ヒートアイランドのど真ん中に住む都会っ子兄弟ケイとユイ。
共働きの両親に、留守を任され、暑くだるくメリハリのない生活。
そんなとき、海山の自然に恵まれた田舎のおじさんからの、「おいで」のはがき。そして、二人は「さらば、東京」……。
何よりも絵が素晴らしい。
東京での兄弟二人だけの暑い日々は、ほんとうにつまらなさそうです。なかでも、二人でプールの後の水着を干すシーンは、ジーンとしてしまいました。
東京から田舎へのページはスピード感が伝わります。
田舎の町並みや空の色は、私でも郷愁を感じてしまいます。
特に圧巻だったのは、”せみしぐれ”ならぬ“せみ豪雨”。
『あ〜、こういう瞬間、私も経験したことがあるな〜』と思ったら、胸にこみ上げてくるものがありました。
我が家は、今年も夏はがんばります。
近場にたくさん見つけられそうです。まほうの夏。
息子は、「こんな夏いいよね〜。今年、ばあちゃんちに一人でいってみるかな。」ですって。
|
参考になりました。 |
|
4人
|
|
|
美術へのファーストステップ
|
投稿日:2009/07/10 |
ことままごんさん 40代・ママ・広島県 女の子10歳
|
有名な美術品を写真で掲載する画集のような構成ではなく、
子どもの好奇心もくすぐりながら紹介しているところが
とても良いと思います。
子どもに課題も提案して引きつけ、
他の子どもはその課題をどう描いたのか、
子どもの作品も紹介してあります。
美術に触れるきっかけとして、ぜひお勧めの絵本です。
|
参考になりました。 |
|
1人
|
|
|
楽しんで読める
|
投稿日:2009/07/10 |
ことままごんさん 40代・ママ・広島県 女の子10歳
|
奇抜なテーマの本ですが、素朴な疑問に答えていると思います。
トイレって、昔はどうだったの?
外国ではどうなの?
日常生活での当たり前のことすぎて、
子どもに尋ねられても答えることができません。
子どもっぽい下ネタ感覚も満足させながら、
知識を広めてくれる良い本だと思います。
小学生くらいのお子さんにはお勧めです。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
ピカソの『ゲルニカ』を連想
|
投稿日:2009/07/05 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
寂しさも悲しみも忘れた涙を知らない孤独な泥棒。
二つの国の間の小高い丘に住んでいた。
小屋の両サイドには窓が、両方の国のお城を眺められて、どちらも自分のものに思えて、ご満悦。
ある日、仕事(泥棒)に失敗し、とりあえず小さな箱を一個だけ盗って逃げ帰った。
箱の中身は、………。
命を育てる喜びを知り、泥棒が変わっていくところが感動的です。
どんな人間にも、必ず「愛する感情」が備わっていることを信じさせてくれます。
ストーリーも、反戦を静かに、しかし、深く訴えかける内容で思わず読み手を引き込みます。
絵が、泥棒のキャラクターにマッチしていて、もの悲しい孤独感、うらぶれ開き直り淡々と生活する様子が良く伝わってきます。
特に、戦争勃発で、家へ戻る町中のシーンは、とっさにピカソの『ゲルニカ』を連想してしまいました。
最後のページで救われた気分になり、表紙絵を閉じてこの絵の意味がわかるようにできているのが、なんとも、素晴らしい作りだなと思いました。
皆さんにお薦めしたい良書です。
10歳の息子も読んで、ため息を漏らし、「命は強いな。」と、鼻をチーンとかんでいました。
お話し会(中高学年)で、読んでみたいと思います。
|
参考になりました。 |
|
4人
|
|
|
ローマ・カトリック教会の世界観への挑戦
|
投稿日:2009/07/02 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
聖書の天地創造説話にもとづいて天動説をとっていたローマカトリック教会の世界観への挑戦は、コペルニクスに始まり、ガリレイ、ニュートンへと受け継がれてきました。
ガリレイの亡くなった、17世紀のヨーロッパは「科学革命の時代」とよばれるほど、近代的合理主義の思想や学問が本格的に確立されて、自然界の研究が進歩した時代です。
その礎あるいは、人柱となったのがガリレイといえるでしょう。
自ら発明した倍率30の望遠鏡で、天体を観測して地動説に有利な事実を多数発見しましたが、1615年ローマ教会は、地動説を禁止しました。彼はその後も、観測を続け、1632年『天文対話』を刊行、地動説を擁護した廉で宗教裁判にかけられ、地動説の放棄を誓約させられ、配所で亡くなっています。
この絵本を手にし、すぐ、中世フランスの王族ベリー公ジャン1世の装飾写本『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』を思い浮かべました。
さっそく、書棚から関連資料を出してきて見比べてみました。
まさしく、同じ空気を感じました。
今の時代に、このような本を描く人がいるのかと驚きとため息でした。
なんと、精緻なことか、独特の絵本の世界観があります。
各ページ、一切の妥協が見られません。というよりも、許さないプロフェッショナルの厳しさが伝わってきます。
息子も見比べて、「同じ人が描いたのかと思った。」と言っていました。ガリレイについては、少々聞きかじっていた彼も、静かに1時間ほど、縦にしたり横にしたりこの絵本と向き合っていました。
中高生や大人も十分に学び楽しめる感動の一冊になると思います。
“それでも地球は動く”は、宗教裁判で地動説放棄を誓約させられ、退廷させられた時に、振り向いて言った一言だったとか…。
|
参考になりました。 |
|
3人
|
|
|
時間とともに明けていく様子が美しい
|
投稿日:2009/06/29 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
私の年代の方々はご記憶もあろうかと思いますが、かつて目覚まし時計は、バネのねじを巻いてセットしていましたよね。
さて、タイトルにもなっているメアリー・スミス(ロンドンに実在)さんが主人公。彼女の仕事は、ノッカー・アップ(目覚まし屋)。
目覚まし時計がまだ普及していなかった、1920年代?のお話です。
彼女の起こし方は、細いチューブに、しわしわでかちかちの豆を詰め、頼まれたお客の家の窓に吹き付け当てます。
起こされた人は、起きた合図に必ず窓から顔を出さなければなりません。
星がまだ残る暗い時間に家を出て、一軒一軒足早に起こしにまわる。
豊かではない時代の労働者たちのたくましさが、太い輪郭の絵から伝わってきます。
メアリーが次のお客の家へ、次のお客の家へと移動するごと各ページの背景が時間とともに明けていく様子が美しく描かれています。
タイトルの文字にも、メアリーの仕事が、まさしく時間をあらそう忙しいものであることを伝えていて、オシャレだなと思いました。
メアリーさんは、毎日毎日、一日の一番素敵な美しい時間を眺めていたんでしょうね。
息子は、“朝早く起きなければならない仕事”に就いている人がいることに、あらためて気づいたようです。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
今とは異なった“こどもを大切にする形”
|
投稿日:2009/06/28 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子10歳
|
4歳からという紹介でしたが、小学校高学年でも楽しめ、学べると思います。
主人公のペレが、自分で飼っている子羊の毛をかりとり、一着の服を新調するまでの工程を描いたものです。
かりとった毛を梳くところからペレは、自分の労働力を提供しお願いします。次に、糸を紡いでくれるおばあちゃんのところへ…、染め粉を求めて…、…、…。
一着の洋服が完成するまでのプロセスを学べ、かつ、労働無くして得るものは無いことも優しく教えてくれていると思います。
絵がまさしく牧歌的で、温かい気持ちにさせてくれます。
大人たちの働いている様子も、ペレの動きも生き生きとしています。
時間がゆっくりと流れている中、“働くこと”をを教える一方、こどもからたのまれたものでも、丁寧な仕事を真摯な姿勢でおこなっているところが、心温まります。
今の時代とは異なった、“こどもを大切にする形”ではないでしょうか。
スウエーデン生まれの作者も、訳者も、今はいらっしゃいませんが、名著故のロングセラーであることを納得しました。
10歳の息子は、何人の手によって一着の服ができあがったか数えていました。
|
参考になりました。 |
|
0人
|
|
|
※参考になりましたボタンのご利用にはユーザー登録が必要です。
|