おおかみは、やっぱり食事にありつけな〜い
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投稿日:2009/10/02 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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『かいじゅうたちのいるところ』のモーリス・センダックさんの絵ということで、手に取りました。
やせっぽちのさえないオオカミが、通りを間違え、見知らぬ場所へ。
ブタのにおい立ち込める所にたどり着き、見上げると「白ブタのみずうみ」上演中の看板。
なんとか、劇場の中へ入れたオオカミは、バレエを鑑賞し…。
愉快愉快。バレエを鑑賞しつつ、ブタに飛びつくタイミングをねらっていたオオカミが、ストーリーに引き込まれ…。
お話が長いので、読み聞かせるのなら小学校低学年くらいからでしょうか。
一人で読むというのなら、ルビもふってありますし、それもよいかも。
うちの11歳は、「おおかみは、やっぱり食事にありつけな〜い。」と、ケラケラ。
見返しの踊るオオカミも、扉絵のバレエの本も、バレエのポスターも、新聞のバレエ論評記事も、読み終わって納得でした。
“訳者後書き”を読んで、かけがえのない友人ジェイムズ・マーシャルさん亡き後、残っていた文章に、モーリス・センダックさんが、7年後に絵をつけた作品だそうです。
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おじいちゃんは わかって いたのかも
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投稿日:2009/10/02 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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お話し会で読みたいな〜って、思った一冊です。
こぎつねルルが、歯が一本しかないおじいちゃんに、たずねます。
「おじいちゃんの歯は、むかしから ずっと 一本だけだったの?」
ここから、おじいちゃんの若い頃の話が始まります。
“ハガネの歯”と呼ばれ恐いものなしの時代。
でも、一本目の歯を無くしたのは…。
二本目の歯を無くしたのは、おじいちゃんも?
もしかしたら、おじいちゃんはわかっていたのかも。
でも、自分より強い相手(獣)がいることを認めたくなくて「おばけ」って、ことにしたのかな〜。
これだけでも笑えるのに、“歯ならびしっかり食欲もりもりクラブ”の会員に推薦され、その後の大宴会。
息子は、宴の後のお話にゲラゲラ。
終盤にもう一回大笑いのおちがあり、読んでいて飽きさせません。
深い読み方をすれば、「歯を大切に」とか、「老いるとは…」とか、「くりかえすいのち」なんて、サブタイトルがつきそうですが、楽しく読みました。
お孫さんにおじいちゃんおばあちゃんが、読んであげるのも素敵な時間になりそうですね。
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うっかりものだな〜、わたしって
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投稿日:2009/10/02 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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タイトルの下の、「虫の音がきこえる本」と」いうサブタイトルに、『なるほど〜、エリック・カールの世界だもんな〜。絵で音を表現するのか〜』と、急いで開きました。
ぽかぽかあたたかいある日
ぽっこり!
こおろぎぼうやが うまれました
おおきなこおろぎが お誕生を祝って、羽をこすって挨拶を。
こおろぎぼうやも挨拶したくて、小さな羽をこしこししても…。
この後、たくさんの虫たちに会いますが、こおろぎぼうやは挨拶が上手にできません。
出てくる虫たちがとっても綺麗です。
じっと見つめていると、特徴がよく出ていて見入ってしまいます。
本当に、虫の音が聞こえてきそうな絵です。
後半出てくるうすみどりの蚊のページは、息をのみました。
ここのこおろぎぼうやの思うことも深い。
最後のページでビックリ。
あわてて、表紙を見直して、一人「うっかりものだな〜、わたしって」とにやりとしてしまいました。
虫の音の聞こえてくるこの季節、お子さんと楽しんでください。
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羊みたいに…で満点大笑い
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投稿日:2009/09/30 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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うちで ねこを かうことに なったの。
ママの おともだちがね、
あした つれて きて くれるのよ。
ここから、親子でいったいどんな猫か、想像を膨らませます。
楽しい想像ばっかりで、ニヤニヤしながら読みました。
招き猫みたいだったらで、大笑い。
羊みたいに…で満点大笑い。
わくわくしながら、猫を待つ親子の様子が微笑ましいです。
最終ページで、読者もねこちゃんに対面できます。
猫大好きな方ご一読を。
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石に夢中なおこさんと
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投稿日:2009/09/30 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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右のページに、石ころの写真。
ページを繰って、左ページにペインティングした動物などがでてきます。そのまた、右のページにただの石ころの写真が、ページを繰って…、
とこの繰り返しで、石ころを見ながら想像の世界を膨らませ遊べます。
飛行機雲の石にはビックリ。
森の様子になった石には、なるほど。
楽しい。
終盤は、たくさん石ころを組み合わせて、いろんなものができてます。
石に夢中なお子さんと、こんな風に語り合うのも楽しいかなという一冊です。
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楽しくご先祖様に思いを馳せて
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投稿日:2009/09/30 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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主人公の5歳の男の子が、おとうさん、おじいちゃんと紹介して、おじいちゃんに「おじいちゃんのおとうさんは、どんなひと?」と、ずんずんご先祖様を遡って行きます。
たのし〜い。
ひいおじいちゃんの背景は、戦時中(昭和)。
ひいひいおじいちゃんの背景は、大正〜昭和。
ひいひいひいおじいちゃんの背景は明治っぽい。
ひいひいひいひいおじいちゃんの背景は、江戸ですね。
このあとが、笑えます。
一人で読める年になってから、見つけた本でよかった。
これを、読み聞かせるのは大変そう(笑)。
ぼくは… だれのおじいちゃんになるのかな…。
のページの絵がタイムトラベルを連想させて、愉快でした。
『いのちのまつり』も良いですが、こちらも楽しくご先祖様に思いを馳せる事ができそうです。
見返しには、今はあまり見られなくなった生活の道具がたくさん描かれています。
もはや、民俗学の世界のものですね〜。
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最小限の言葉と鳥瞰図と
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投稿日:2009/10/01 |
リンダおばさん 40代・ママ・神奈川県 女の子14歳、男の子11歳、男の子5歳
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9・11の追悼を込めて9月の5年生の読みきかせで読みました。
主人公フィリップが綱を渡っている数ページは、
教室が水をうったように静かになり、
みんな息を殺して見入っていたようでした。
私は表紙からもう足の裏がムズムズ落ち着かないです。
しかし、一方で地上400mの世界でカモメとたわむれる彼が
「自由」を感じている…
「自由」か〜。羨ましい限りの生き方。
最後の4ページで9・11をさらっと語っています。
あれこれくどくど事件を説明するよりも、
ぐっと心に喪失感が迫ります。
事実は小説よりも…子どもに向けているノンフィクション作品でこんなに面白いものは初めてでした。
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あったかい お話の 閉じ方だなぁ
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投稿日:2009/09/30 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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主人公は、ママ。
ママが娘ケイティーに話すママの少女時代。
見返し(前)にママの少女時代のスナップ写真(モノクロ)の数々。
元気ではち切れんばかりの笑顔の数々。
扉絵は、ママと仲良しだった犬のアイリーンがママのローラースケートとじゃれ合っている絵。
ママにもね
ママにも あなたみたいな ちいさいころが あったのよ。
から始まります。
仲良しのルビー、犬のアイリーン。
サーカスごっこ。
ローラースケート。
ごみバケツのふたの上でのタップダンス。
大きな木の穴の秘密の隠し場所。
少女時代のママが、おばあちゃまに愛され、毎日を楽しく陽気に溌剌と過ごしてきたかが、娘ケイティーに語られています。
なかでも、弟のバースデーケーキに載っている、バラの砂糖菓子を弟を説得し取り上げようとしているシーンは笑えます。
新しいくつを買ってもらった夜に、嬉しくてはいたまま眠っているシーンも可愛らしい。
終盤、お気に入りの人形やぬいぐるみに、皆同じ名前を付けてかわいがっていた、その名がケイティー。
なるほど、あったかいお話の閉じ方だなぁとおもいました。
見返し(後)には、現在のママとケイティーのスナップ(カラー)の数々。
絵に惹かれて、手に取りました。
往年のコカコーラのポスターに出てくるようなアメリカンの表情豊かな描写が、このストーリーにピッタリだと思います。
「ははは、ちさいころどうだった?」と息子に聞かれ、「ケガをして血が出ても、家へ帰らず暗くなるまで遊んでいたよ。スカートはあんまりはかなかったなぁ。」と私。「困った子だな〜。」とニヤリと息子。
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ライオンにもたれかかって絵本を読みた〜い
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投稿日:2009/09/28 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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図書館。気持ちよくあの空間を共有するために、ルール(きまり)をとても大切にしているところ。
この象徴とも言えるキャラクターの厳格なメリウェザー館長のこの図書館に、ライオンが…。
はじめ、なんでなんでどうして?何しに来たの?どこから来たの?と「?」ばっかり。
ところが、不思議なことに、気づくとこの状況を受け入れてしまっていました。
館長の「で、そのライオンは としょかんのきまりを まもらないんですか?」の言葉に吹き出しつつ、どうなるんだろうと読み進めました。
「しずかにできないのなら、としょかんから でていっていただきます。それが きまりですから!」と、一度館長からくぎを刺されたライオン。
了解したライオンが、図書館の手伝いをすすんでおこない、この図書館にとても自然に居場所をつくっていくところが、読んでいて楽しい。
館長のピンチに、“きまり”をやぶったライオンは…。
生き生きとしていた図書館の空気が一転、灯の消えてしまったような様子に、息子も「暗いな〜。ん〜。」と図書館の中のこどもたちと同じ表情で読んでいました。
ルール(きまり)を遵守することに気を取られてばかりいると、どんな目的でできたルールなのか、本来の意味を見失ってしまいます。大人の社会でも良く見かける事です。
ルールについて考えるとき、何が一番大切なことなのかを大人にも教えてくれる良書でした。
それにしても、この図書館に行って、ふさふさのたてがみのこのライオンにもたれかかって絵本を読みたいですね〜。
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お月様の上での休憩
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投稿日:2009/09/27 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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ケルト人の1年の終わりは10月31日。
収穫感謝祭です。
この夜は死者の霊が家族を訪ねたり、聖霊や魔女が出てくると信じられていました。
この祭りがカトリックに取り入れられ、ハロウィーンになったとか。
森の暗闇のそのまた奥に住む魔女たちは、人々が眠りに就く頃、起き出して“魔女たちの朝”をむかえます。
色調は、人間生活の夜が中心ですから、暗めですが、一夜の中での
日の出にに向かっての微妙な空模様の変化が素晴らしい。
小さいお子さんは怖がるかもしれませんが、魔女を楽しく理解できそうな6歳頃からがお薦めです。
たくさんの魔女が、土を蹴ってほうきにまたがり、空へと飛び立つ姿が素敵です。
読んでいて、いるんじゃないかと、思っちゃいます。
縦列飛行、隊列飛行、思い思いの飛行が楽しそう。
お月様のまわりをおどる姿も、お月様の上での休憩も何とも邪気がなく可愛らしい。
地上にふわりと着地する姿も、かっこいい。
トウモロコシ畑で、出会ったこどもたち。
彼らが仮装し、カボチャのランタンを持っていたのに、震え上がっているのもまた楽しい。
魔女堪能の一冊でした。
ハロウィーンの近いこの季節にいかがでしょうか。
飛行中の魔女たちの声に息子は笑っていました。
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言葉遣いが品の良いお話に
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投稿日:2009/09/27 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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タイトルの“ちょっとだけ”が上手に使われていますね。
私は、高齢出産で一人を育てるだけでアタフタしていました。
二人三人とお子さんを連れて歩いている方を見かけると、『がんばってるな〜、休めているかな〜おかあさん。』と思わずよけいなお世話な視線を送ってしまいます。
なっちゃんは、おかあさんの忙しさを幼いながらきちんと理解しているんですね。
そして、我慢もおぼえてます。
自分でやってみた後のちょっと満足げな笑顔が可愛いですね。
ふみちゃんのママの言葉に、ちょっとだけうなずいたなっちゃんの気持ちに、わたしもちょっとだけグッっと来ました。
お話も素敵ですが、絵がやさしくてあどけないなっちゃんが可愛らしく描かれていて、読み手のこころもやさしくしてくれます。
なんといっても、最後のお母さんの言葉遣いが、とても美しくて限りなく優しい響きで、このお話を品の良いものにしていると思いました。
きっと、なっちゃんもこのお母さんみたいな素敵な母親になるんでしょうね。
お引っ越しする近所の姉妹に読んであげたいと思いました。
息子は、最終ページの最終文が気に入ったらしいです。
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許せ!息子よ。
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投稿日:2009/09/27 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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明るい!それが第一印象です。
一人っ子の私には、姉妹が羨ましい。
特にこの年になると。
お姉さんは、妹にとって永遠に追いつけない憧れの女性なのかもしれませんね。
少し大人になりたい妹と、優しく妹を見守るお姉さんのお話。
妹が一生懸命お姉さんに追いつこうとしても追いつけない。
だから、出てくる「私はいもうとだもん。」
時には、誇らしげに「私はいもうとだもん。」
これが可愛らしい。
仲良しな姉妹に、あったかい空気を感じます。
ラストの台詞が良いですね。
「ぼくは、弟がほしかったなあ。」と私を攻める息子の視線。
許せ!息子よ。君も一人っ子の人生を歩んでくれ。
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よけいなことを吹聴しちゃって
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投稿日:2009/09/27 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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見返しに新聞各社への売り込みの手紙、写真添付で。
扉絵はその手紙を上機嫌で投函中のオオカミくん。
鍛えに鍛え、自信漲る少しマッチョになったオオカミくんが帰って来ました。 えっ?どこへって、お話の世界へです。
ことごとくかつてのお話で、こてんぱんにやられたオオカミくんが、起死回生とばかりに、帰ってきたのです。
さあ、積年の恨みを晴らそうと、お食事に出かけます。
三匹のこぶたの家。
七匹のこやぎの家。
羊の家。
ピエール(ピーター)の家。
どこももぬけのからです。
赤ずきんちゃんの家へ行ってみると、おばあちゃんの家へ行ったと小耳に挟み…。
表札の変わった家の扉を開けると、まあ、なんと夢のような勢揃い。
読んでいて興奮しちゃいました。
ピーターの小鳥やアヒルさんまでいるんですもの。
みんな待ってましたとばかりに…。
最後は読んでいるこどもたちもほっとしたことでしょう。
でも、新聞社にあんな売り込みをしたばっかりに、みんな総出で反撃できたんですよね。
よけいな事を吹聴しちゃって、オオカミくんの計画は失敗に、いえ、結局良い結果に終わったのかな〜(笑)。
オオカミくんのキャラクターが私好みだったので、手に取った本です。図書館にいることを忘れ、笑い声を立ててしまいました。
見返しの新聞社名を見直して、また笑いが…。
ミレーどおり おちぼひろいしんぶん
オードブルどおり ブルーチーズしんぶん etc
愉快です。
「結局、絵本の中では、肉にありつけないんだな〜。」と同情気味の息子でした。
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おとうさんのヘアスタイルが気に入って
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投稿日:2009/09/27 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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うけました。うけました。回文大好きの息子に。
表紙を見ただけで、宮西先生だとすぐ気づき、喜んで読んでました。
おとうさんのヘアスタイルが気に入ったようで、ケラケラケラケラ。
読み終わって、「すごいな、回文で物語が作れるなんて。」と感心してました。
スタミナみたす で、大うけ。
久々に二度読みをしていました。
こういう楽しいのも、子どもにはうけますね。
読後、回文を考えていた息子、
よのなかねかおかおかねかなのよ
という、とんでもないまた聞きの回文を大声で言っていました。
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パパに会えた現実を確認するかのように
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投稿日:2009/09/26 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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冬曇りの空の下、午前10:29。
駅のプラットホームに男の子が一人。
秋の初めに別れたパパを乗せた電車の到着を待っている。
久々にあえたパパとの時間が嬉しくて、本当にここにパパがいるんだ(現実)ということを確認するかのように、店の人、顔見知り、見知らぬ人にまで、「ぼくのパパだよ。ジョニーっていうんだ。」を繰り返すティム。
パパはティムのこの言葉を何度も聞き、何を思ったんでしょう。
本当に喜んでいる。
父親への深い思慕。
父親を失い、悲しみにうちひしがれる場面を、日々の生活の中でこの子はいくつも経験したんだろうな。
こんなことをパパは、息子の成長の背景に感じたに違いありません。
手をつなぐシーンが、いくつも出てきますが、子どもの手のひらは手をつなぐと、日々親の手のひらにおさまりきれなくなっていきます。
ティムのパパも気づいたでしょうか。
図書館のシーンが、印象的でした。
図書館はいいなと思いました。静かにゆっくりと相手の息使いを感じ取れる距離でいられる。
ショッピングセンターの喫茶店で、ショーケースの中のケーキを選ばせるため、テイムをしっかり抱きかかえ降ろさなかったパパ。
その重さとぬくもりに、きっとたくさんのティムへの言葉にできない思いが去来したことでしょう。
最後の電車の中のパパの言葉は、パパの気持ちをティムに一番良く伝えられる言葉だったのでしょう。
大きなパパの手が、電車と共に小さくなっていくシーンは、切ない。
午後8:00。
また、一人プラットホームに残るティムの言葉。
『これは夢じゃない、ぼく本当にパパに会ったんだ。』という、自分に言い聞かせるような、やはり確認のような、悲しい言葉に私には思えました。
11歳の息子は、「『パパ』って言葉をずっと言ってなかったんだろうな。『ぼくにもパパがいる』って言えてうれしかっただろうね。」という感想。
私は、鼻の頭を真っ赤にして、うなずき返事をしました。
読み返して、落涙。
皆さんのレビューを読んで、また落涙。
表紙を見ても…、今はダメですね。
たくさんの大人の方に、読んで頂きたいと思いました。
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品格のある雄々しい姿に成長
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投稿日:2009/09/25 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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パリのセルニュスキ美術館所蔵の青銅器(殷代)〈雌トラ〉という作品と中国の赤ちゃんの時トラに育てられた子文(ジウェン)という男の子の伝説を合わせた作者の創作です。
こどもたちを人間の猟師に殺された母トラが、
その憎しみから人間の村を襲い、
その国の王は占い師の言うことに従い
ウェン王子(4・5歳位?)をトラに差し出すことに…。
占い師の言うことには、“トラは王子に何もしない”
これを聞いて、王子は幼いながらも父の心配をよそに森の奥へ。
トラと王子の出会いの場面は、ドキドキでした。
トラの母性がよみがえり、王子にトラとして学ばなければならない事を教える生活。
月日が流れ、王子はトラに一番近いたくましい少年に…。
虎は、雌だけで子育てをし、生後2年で子は独立するそうです。
「虎の子」と言うくらい、自分の子を非常に大事にするそうです。
成長したウェン王子を見るにつけ、獣も人間もなく、品格のある雄々しい姿に成長していて感動しました。
読者も母トラも救われるエンディングに、この絵本の完成度の高さを感じます。
絵が、本物(中国画)に接した感動を与えてくれます。
トラのかくれがのページは圧巻です。
表紙絵は、この絵本の核となる最も素敵なシーンを使っていて、表紙を見ただけで、この感動がいつの時でも蘇ってくることでしょう。
息子は、「かっこいい」を連呼していました。
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赤ちゃんは学んでいる
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投稿日:2009/09/25 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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世界中、どこでも、赤ちゃんはお母さんにしっかりとだっこされているのが大好きです。
文化の異なる様々な地域の人々のだっこやおんぶをその生活と共に紹介しています。
中央アメリカのマヤの人々・ インドネシアのバリの人々 ・
中央アフリカの遊牧民ムブティ ・ 北アフリカの商人であり遊牧民のトゥアレグ・グリーンランドと北アラスカの先住民族のイヌイット・ 西アフリカノマンティング・ 東南アジアの山岳民族のモン族・ 南アメリカの熱帯雨林地方に住むヤノママ族・ヒマラヤ山脈に囲まれたネパール人・ オーストラリア北部のパプア人・ 南アメリカのインカ帝国の子孫のケチュア人・ おまけは、ネイティブアメリカン
ほとんど初めて目にするものばかりでした。
それぞれのだっこやおんぶは、大人たちの生活・地域の気候環境に応じて、独特のスタイルです。
生活の糧を得るための、日々の様子がとても詳しく書いてあり楽しく読めました。
赤ちゃんは、親や家族の生活を、乳児のころからつぶさに見つめられる距離で、おのずと自分たちの生活・文化を学んでいるというところを読んでなるほどと思いました。
我が家は、寝かしつける時はだっこをしましたが、おんぶはあまりしませんでした。
どうしても、夕食時にぐずったときに数度おんぶをしたら、「きゃっきゃっ」はしゃいで電子レンジにゴン!と頭をぶつけ、また「きゃっきゃっ」していた思い出があります。
見返しに、世界地図もありますので、お子さんと色々な文化を覗いてみてください。
息子は、パプア人とイヌイットが対照的で、とても印象に残ったようでした。
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虎の表情の変化が楽しい
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投稿日:2009/09/24 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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図書館で、息子の干支は虎、来年は年男だな〜なんて思いながら手に取りました。
韓国で語り継がれてきた昔話だそうです。
この世の王と信じていた虎が、お腹を空かして里へおります。
山のふもとの小さな家で、赤ん坊の泣き声が…。
「虎が来るよ。」と言っても泣きやまぬ赤ん坊。
干し柿を見て、ぴたっと泣きやむ影を見て、干し柿というものに恐れをなす虎は…。
「画材や紙や描き方に工夫を凝らした」と、作者ご自身が語るよう、素敵な韓国の昔の世界をのぞけたような気がしました。
なんといっても、主人公の虎の表情の変化が楽しい。
終盤必死に走るシーンは、大笑いでした。
「アイゴー」を息子も覚えましたよ。
良い絵本に出会いました。
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独特の色使いから感じるおばけの世界の空気
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投稿日:2009/09/24 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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驚かされてほっとして、驚かされてほっとして…。
ストーリーの中で、この繰り返しが読者を惹き付けるんでしょうか。
かんたの飛び込んでしまった世界が、『あればいいなあ。』って思わせる魅力的なキャラクターたち。ネーミングがまた楽しい。
ルックスが不気味なのに泣き虫(泣き顔が笑えるくらいかわいい)。
喧嘩っ早くて、意外に素直(じゃんけんの姿に『じゃんけんできるんだ〜。』)。
遊び上手で、満足するまでいつまでもいつまでも。
せっかくの楽しい世界から、『あ〜〜〜〜〜。』
でも、良かったかも。
『かいじゅうたちのいるところ』と通ずる、母のもと(現実の世界)へ戻ってくるこのラスト。
でもでも、もう一回行きたいでしょうね、かんたくん。
帰ってこれたから、また行きたくなるんでしょうね。
横に縦に、ページいっぱい迫力とスピード感のある絵。
おばけの世界は、きっとこうなんだろうと思いこませられちゃう独特の色使いから感じる空気。
4歳の時は、「ぼくは行かない。」と言っていた母べったり息子。
6歳の時は、あの“ちんぷく まんぷく……”を変なメロディ♪をつけて歌っていました。
「おっ、なつかし〜い。なんだっけ。あれあれあの縄跳びするおばけ。」とページをぺらぺら捲って、「やっぱ、おもしろー、もんもんびゃっこ。」と不気味な笑いを浮かべる“11歳にはには小僧”でした。
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えっ?何ためるの?????
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投稿日:2009/09/24 |
アダム&デヴさん 50代・ママ・青森県 男の子11歳
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表紙ににやり。
見返しに何?
扉絵で、走ってる。
“ちゃっぽんちゃっぽん”字が波打って、走ってる。
もうここから、とりこです。
読まずにはいられません。
大地が干上がったある日、集まっています。
やかんに、ポットにじょうろに、きゅうす。
そして、体操?
ん?何かのウオーミングアップ?
かけ声可笑しく、一二…七・八・きゅうす!
「大きく息を吸って〜」
「止めて〜」
「ためて〜」
えっ?何ためるの?????
「だして!」
わかったわかった、納得納得。
それにしてもすごい顔。
真剣そのものなのに、笑ってごめんなさい。
失礼しました、ヒーローさんたち。
恵みを見上げる、みんなのうれしそうな顔。
天上からのシーンが、「来た〜〜〜〜〜」って感じですね。
最後のページが、またまた楽しい。
本当に、一気に最後まで楽しませてもらえる“かがくいワールド”です。
息子は、終始ニタニタ、ガハハハハでした。
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