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絵本紹介
2023.02.28
みどころ
「ようちえん いくの いやや、いやや、いややー」
とにかくみんな、よく泣いております。
たけしくんが、まなちゃんが、つばさくんが・・・朝から全身で「いややー!」。
よくある光景、とひとくくりにしてしまうのは簡単だけど、どうやらみんな、それぞれ立派な理由があるみたい。
イスのマークが気に入らなかったり、いちごが好きなのに「ももぐみ」なのがいやだったり。
すごく可愛らしいけど、本人たちにとっては深刻な問題。(とりあえず今日のところは、ね。)
「あぁ、わかるわかる」「私も一緒!」「うちの子が泣いているのも、もしかして?」
なんて、全ての世代の共感を得てしまうのは長谷川義史さんが子どもたちの気持ちを代弁してくれるから。油断していると、最後のページで泣かされてしまいますよ(笑)。
ユーモアと優しさにあふれたこの絵本、親子で元気をもらって、いってらっしゃーい!
この書籍を作った人
1961年、大阪府生まれ。グラフィックデザイナー、イラストレーターを経て、『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』(BL出版) で絵本デビュー。『うえへまいりまぁす』(PHP研究所)、『やまださんちのてんきよほう』 (絵本館)、『きみたちきょうからともだちだ』(朔北社)、『おへそのあな』(BL出版)、『スモウマン』『いろはのかるた奉行』(講談社)など、ユーモアあふれる作品を発表。2003年、『おたまさんのおかいさん』(解放出版社)で講談社出版文化賞絵本賞、2005年に『いろはにほへと』(BL出版)で日本絵本賞を受賞。2008年に『ぼくがラーメンたべてるとき』(教育画劇)で日本絵本賞、小学館児童出版文化賞を受賞。
ほとばしる子どものエネルギーがいい!
表紙で泣いている男の子から伝わってくる、ほとばしるようなエネルギーに呼ばれて、卒園ほやほやの息子と一緒に読みました。
「ようちえんいくのいややー」と豪快に泣いている子ども。
「なんでいやなのかな……」
ページをめくると、園児さんならではのなるほど! な理由が次々と。
私の気にいったのは「まなちゃん」。
「いちごがすきやのに ももぐみだからいややー」
こだわりの強い2、3歳の頃が思い出されて、吹き出してしまいました。あぁ、あの頃こんな風に笑い飛ばせる余裕があったら良かったな。
お兄ちゃんがいたおかげか、泣かずに幼稚園に通った息子ですが、がっつり入り込んで見ていました。もしかしたら泣かずにいる子だって、いろんな思いを抱えて幼稚園に通っているのでしょうね。
この絵本に登場する子ども達は、集団の場で感じる不安、戸惑い、違和感を見事に言葉にしてくれていて、なんだか心強い気さえしてきます。そして「いややー」の一番の理由は……。お母さんにはたまらないオチです。
最後のページがまた印象的。そうそう、朝泣いていた子は、ずっと泣き続ける訳じゃなくて、しばらくすると、意外と楽しく過ごしているものですよね。園児さんはもちろん、お母さんにおすすめです!
(ランタナさん)
ようちえんより……やっぱりね。。
長谷川さんの絵本ライブに行き始め早数年。長谷川さん自身が作詞された「幼稚園のブルース」という歌が大好きで、いつか「ようちえん いやや〜」が絵本になったらうれしいな〜と思っていたら、2012年! 待望の絵本となりました。
「ようちえん いやや」
幼稚園の先生である自分も、改めて子どもが思っていることを確認することができました。「いろいろいやや〜と思うこともあるよね〜」
と子どもの気持ちにもっと共感して、過ごしていきたいな〜と思えた絵本でした。
長谷川さんの「愛」あふれる作品がまた増え、とてもうれしいです。「ようちえん いやや」幼稚園が大好きなお友達も、ぜひ読んでほしいな〜と思います。
(POKAPOKA☆ikuさん)
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