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- ためしよみ
絵本紹介
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2023.09.21
「子どもの権利」とは具体的にどんな権利なのか、知っていますか? 『ようこそ こどものけんりのほん』は、子どもと大人がいっしょに学べる、小さな子にもわかりやすい表現でまとめられた絵本。なぜ今、「子どもの権利」が注目されているのか、その背景と併せて絵本のみどころを紹介します。
出版社からの内容紹介
今、注目を集める「子どもの権利」を、えがしらみちこさんのあたたかいイラストがやさしく紹介してくれます。
権利というと、一見難しいイメージがありますが、子どもたちと子どもに関わる大人を守る大切なもの。
子どもの権利のはじめの一歩を親子で学べる絵本です。
カバー裏には子どもの権利条約ポスターを印刷。
2023年6月刊
この書籍を作った人
コロナ下で生まれた子どもの権利の絵本『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』(ひだまり舎)の製作チームから、あらためて結成されたプロジェクト。子どもと大人に「子どもの権利」の視点を広めることをこころざし、ワークショップ、絵本、アート、シェアリング、対話などさまざまな形で、メンバーの個性とスキルを活かした活動を行う。
2023年4月1日に、日本で初めてとなる子どもの権利に関する法律「子ども基本法」が成立しました。
「子ども基本法」の元になっているのが、1994年に日本が批准した世界条約「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」です。日本は条約を採択しましたが、その後19年間、子どもの権利に関する法律がつくられていませんでした。ですから「子ども基本法」という「法律」ができたことは、日本にとって大きな変化なのです。この法律ができたことで、今後は子どもの教育や生活支援など、あらゆる分野で「子どもの権利」という考え方が反映されていくことになっていくことでしょう。
では実際に「子どもの権利」とはなんでしょうか?
『ようこそ こどものけんりのほん』は、具体的にどんな権利があるのかを子どもに読み聞かせながら大人もいっしょに学べる絵本。「子どもの権利」を知る第一歩にぴったりの、わかりやすくて読みやすい内容になっています。
『ようこそ こどものけんりのほん』は、54項目の「子どもの権利条約」のうち7つを取り上げて、子どもと大人の「やくそく」という形で、「子どもの権利」について紹介しています。
よく見ると、茶色の文字と黒い文字は書体が違いますね。茶色い文字で書かれているのは権利の内容、黒い文字はその説明。そのまま読み上げても、権利のことと説明の区別がはっきりしていて、子どもにも理解しやすくなっています。説明の部分が、子どもに語りかける口調になっているのもポイント。
これは、「子ども権利条約」の第6項、「生きる権利・育つ権利」のページです。えがしらみちこさんのやわらかい雰囲気の絵、子どもの笑顔がかわいらしいですね。
大人でも「条約」といわれるとかしこまってしまいますが、こんな風に中身をかみくだいた説明なら「自分がどんな行動をしたら、子どもたちとの約束を守れるのかな」と自分ごととして考えることができそうです。
「子どもの権利」の内容を読むと、どれも「当たり前のことでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし残念ながら、それが「社会として当たり前のこと」になっていない現状が、世界にも日本にもあります。
特に考えさせられるのが、「意見を表す権利」や「表現の自由」についてです。
絵本ナビスタッフMは、このページを読んだときに「自分は、子どもの意見をきちんと聞いてあげることができていたかしら」と心配になりました。今まで子どもによかれと思ってしてきたことは間違っていたのかもしれないと思うと、今後どうしたらよいかわからなくなってしまいますよね。
子どもの意見を尊重することと、子どものわがままを全部受け入れることは違います。ではどう考えたらよいのか、そのアドバイスもきちんと絵本で説明されていますので、ぜひご自身で読んで、考えてみてください。
これまで日本には「子どもの権利」に関する法律はありませんでしたが、児童虐待防止法や児童福祉法などが作られたり、子ども手当などの子育て支援が行われ、親世代の子ども時代から少しずつ、確実に社会が変化してきています。その良い変化を継続させ、よりよい社会をつくれるかは、私たちひとりひとりの行動次第。まずは「子どもの権利」について知ることから始めてみませんか。
『ようこそ こどものけんりのほん』は、「子どもの権利・きもちプロジェクト」代表の長瀬正子さんが2021年に出した『きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?』(ひだまり舎)の原画展を、絵本作家えがしらみちこさんが営む「えほんやさん」で行ったことがきっかけになったそうです。
出版社からの内容紹介
子どもには、どんなときも、
休む権利や、遊ぶ権利があります。
子どもには、どんなときも、
一人ひとり大切にされる権利があります。
あなたはいま、どんな気持ち?
非常時に後回しにされがちな子どもの気持ちにより添い、
子どもの権利を考える絵本。
「気持ちと権利はつながっている」という新しい着眼点にも注目。
その後、長瀬さんたち「子どもの権利・きもちプロジェクト」がえがしらさんといっしょに作った、子育て情報誌「kodomoe」2023年2月号の付録絵本『ちいさな こどものけんりのほん』が出ると、たくさんの反響が編集部に届いたそうです。その一部がこちらです。
すべて、コドモエ読者アンケートより
子どもには難しいかなと思いましたが、自分から手にとり、「『こどものけんりのほん』に書いてあったよ」という姿が。
そうだよね、子どもにもそういう権利があるよね……と思い、それが守られないときの子どもの気持ちを考えて涙が出そうになりました。
子どもの権利を奪わないように、まわりの大人たちが理解をして協力していく必要性を再確認できる絵本でした。
単行本では、編集部に寄せられた質問に答える形で「いっしょにはなしてみよう」というページや、長瀬さんからのメッセージ、そして「子どもの権利」についての補足説明が、表紙裏までたっぷり入っています。
特にうれしいのが、カバー裏に印刷された「子どもの権利条約」のポスター。
えがしらさんのかわいい絵といっしょに、40項目の「子どもの権利条約」がわかりやすく、簡単に説明されています。お部屋の目につくところに貼っておくと、ふと見ては、自分の権利について考えを巡らせるきっかけになると思います。
いかがでしたか?
本書とは離れますが、私、絵本ナビスタッフMが子育て中、個人的にすごく心に響いた言葉があります。それが「教育とは、折に触れ」です。
「折に触れ」は「機会があるごとに」という意味で、「さあ権利について勉強しますよ!」といって学ぶよりも、日々の生活の中で子どもと意見が衝突したときに、一方的に言い負かしたり、他の理由をつけて意見を聞き入れなかったりするのではなく、子どもの言い分をしっかり聞いて、いっしょにどうしたらよいのかをその都度考えていく。その繰り返しによって、「私は大事にされている」という気持ちが少しずつ育まれていくのではないかと思います。
忙しい毎日、いつもうまくいくわけではないけれど、「親も子どもも同じ人間!」という気持ちで向かい合ってほしい。大人の無知や行動を責める文言が一切書かれていない『ようこそ こどものけんりのほん』からは、日々子どもたちと接し、奮闘している大人に向けた、やさしいメッセージが伝わってきます。