どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)
「答えのない問いに向き合う力」をはぐくむ新感覚の絵本
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絵本紹介
2024.12.19
かじかんだ手をコートのポケットに入れた時。あったかいホットドリンクが体に沁み入った時。こたつの中でぬくぬくとしながら、窓の外の冬空を見上げた時。凍えるような寒い日でも、身体や心がぽっと温かく幸せな気分になることがあります。たとえば本を読んだときにも、心にやわらかな陽がさすような、ほんのり灯がともるような瞬間が。
冬休みにおすすめしたい児童書は、そんなハートウォーミングな作品が集まりました。 森山京さんととよたかずひこさんによる季節の絵童話集シリーズは、寒くても冬が大好きになるおはなしが9篇。家族を失くした熊と北風の家族の不思議な交流を描いた、安房直子さんの優しい物語。卒業式までカウントダウン、日記に書いた目標をひとつずつかなえようと奮闘する小学6年生の光平の姿は、きっと同世代の子どもたちの胸に響くものがあるはず。
心の中が温かな気持ちで満たされると、不思議と寒さを忘れてしまう。読書ってすごい力がありますよね。冬休み、子どもたちを温かく包んでくれる本にたくさん出会えますように!
出版社からの内容紹介
ふゆごもり/ひなたぼっこ/はつゆき/ねんがじょう/えりまき等、寒くたって平気、冬を遊ぶあたたかいおはなし9話。冬大好き。
この書籍を作った人
1929年東京都生まれ。広告会社でコピーライターとして活躍後、童話の創作をはじめる。『きいろいばけつ』『つりばしゆらゆら』などの「きつねのこ」シリーズ(あかね書房)で路傍の石幼少年文学賞、『あしたもよかった』(小峰書店)で小学館文学賞、『まねやのオイラ旅ねこ道中』(講談社)で野間児童文芸賞、『パンやのくまちゃん』(あかね書房)でひろすけ童話賞を受賞。作品に『こうさぎのあいうえお』『おさらのぞうさん』『ぶたのモモコはバレリーナ』『バスがくるまで』(小峰書店)など多数ある。
この書籍を作った人
1947年宮城県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。主な絵本に『でんしゃにのって』などの「うららちゃんののりものえほん」シリーズ、『バルボンさんのおでかけ』などの「ワニのバルボン」シリーズ、『ブップーバス』などの「あかちゃんのりものえほん」シリーズ(以上アリス館)、『やまのおふろ』などの「ぽかぽかおふろ」シリーズ(ひさかたチャイルド)、『どんどこ ももんちゃん』[第7回日本絵本賞]などの「ももんちゃん あそぼう」シリーズ、『おにぎりくんがね‥』などの「おいしいともだち」シリーズ(以上童心社)がある。紙芝居に『でんしゃがくるよ』『もみもみおいしゃさん』『ぞうさんきかんしゃ ぽっぽっぽっ』[第56回高橋五山賞](以上童心社)などがある。
出版社からの内容紹介
「どなたか音楽をおしえてください。お礼はたくさんします。」こんな張り紙のある熊の家に、つめたい風と共にやってきたのは、青い馬にのった青い人。てっきり音楽を教えてくれるのかと思いきや……。家族を失くし、ひとりぽっちで暮らす熊と、青い色をした北風の家族との不思議な交流を描く、安房直子絵ぶんこシリーズ第7弾。
この書籍を作った人
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっこ』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。
この書籍を作った人
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。エディトリアルデザイナーを経て2006年よりイラストレーターに。2019年板橋区立美術館・夏のアトリエにて絵本への再挑戦をスタート。nowaki、水曜えほん塾にて絵本づくりを学ぶ。ボローニャ国際絵本原画展2021ファイナリスト、第22回ピンポイント絵本コンペ最優秀賞。 地球や自然を愛することを真ん中にした絵本づくりを実践中。『はるとスミレ』(偕成社)『金のゆびわのスープ』(あかね書房)など。
出版社からの内容紹介
制限時間は一カ月。その間に治療薬をみつけないと、あなたの心臓をいただきます!
オッドアイの神秘的な猫にさそわれるように、奇怪な世界に足を踏み入れた15歳の少女シア。桜が満開にさきほこり、ホタルが舞う幻想的で美しいその場所は、なんと妖怪たちが人間から遠く離れてくらすためにつくられた妖怪島だった。
妖怪島最高のレストランのオーナー・ヘドンの前に連れていかれ、心臓を差し出すように言われるシア。彼を苦しめている病は、人間の心臓だけが唯一の治療薬、シアはヘドンに捧げられるために人間の世界からこの異界に連れてこられたというのだ! その場の機転でなんとか死を免れるが、そのかわりに「レストランで働きながら、一カ月のあいだに、心臓にかわる治療薬をみつける」と約束してしまう。こうしてヘドンの治療薬を探すシアの冒険が始まった。次々とおそう困難のなか、はたして彼女は薬を見つけ、命を守ることができるのか?! 人間の世界に帰ることはできるのか?
顔がふたつあるマダム、頭でっかちの魔女、涙で酒を作る酔っ払い、木の精のような庭師、黒いカラスの翼をもつ少年――。見た目も思考も摩訶不思議。これまでの常識でははかれない妖怪たちと出会い、彼らの物語を知ることで、シアがさまざまなことをみつけていく、Kファンタジーシリーズ第1弾!
奇怪な妖怪レストランにようこそ!
出版社からの内容紹介
「先生、あたたかい手をしているのね。
なんかほっとする」
人に触れるのが苦手だった新人柔道整復師の春哉は、
なのはな整骨院で働きはじめます。
整骨院の同僚や、患者さん、近所の人たち、
そして神出鬼没な地域ネコ、マルとの
ゆるやかなつながりが、春哉の居場所になっていきます。
心がほっとするお仕事小説。
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整骨院で働く柔道整復師の仕事は、骨折、捻挫、打撲、脱臼などのけがを、
手をつかっておこなう柔道整復術という方法で、もとの状態にもどす施術が
もっとも基本的なものです。
とはいっても、実際には、けが以外の理由で、身体の不調をうったえて来院する人も
少なくありません。(本文より)
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この書籍を作った人
1956年熊本県生まれ、東京育ち。『フュージョン』(講談社)で第2回JBBY賞、『トーキョー・クロスロード』(ポプラ社)で第25回坪田譲治文学賞を受賞。その他の作品に『はじまりは一冊の本!』(あかね書房)、『with you』『girls』(以上くもん出版)、『金曜日のあたしたち』(静山社)、『野原できみとピクニック』(偕成社)、『シタマチ・レイクサイド・ロード』(ポプラ社)、『この川のむこうに君がいる』(理論社)、『となりのきみのクライシス』(さ・え・ら書房)、『ストーリーで楽しむ日本の古典 更科日記』(岩崎書店)などがある。埼玉県在住。
出版社からの内容紹介
小学6年生の光平は、12月に入ってから卒業式の3月19日までの日にちを数え始めた。そして、5年生の夏から始めた日記に、再び取り組むことを決めた。
転校してきて学校になじめない望月大星くんとは集団登校の班が一緒なのに、なかなか距離が縮められずにいた。ところが、アニメの話題で少しずつ望月くんが心を開いてくれるようになってきた。
日記には、「新年の元旦までに卵割りができるようになった」「卒業するまでに望月大星くんと友だちになった」「卒業式の『返す言葉』を読む卒業生代表に立候補 した」などの目標を書き、つぎつぎとかなえていくが……。
失敗や挫折を経験しながらも、努力することの大切さを描いた一冊。
1巻目の『願いがかなうふしぎな日記』は、「読書感想文におすすめの本」として好評です。本書は「願いがかなうふしぎな日記」シリーズの第4弾。
この書籍を作った人
作家、エッセイスト。主な著書に『願いがかなう ふしぎな日記』『願いがかなうふしぎな日記 光平の新たな挑戦』『望みがかなう 魔法の日記』『夢をかなえる 未来ノート』『「水辺の楽校」の所くん』(以上、PHP研究所)、『走れ!家出犬ジェイ』『電車でスタンプラリーへGO!』(以上、金の星社)、『勇気を出して、はじめの一歩』『ここではない、どこか遠くへ』(以上、小峰書店)、『メロンに付いていた手紙』『歌え!多摩川高校合唱部』(以上、河出書房新社)などがある。
出版社からの内容紹介
雪女なんているわけないと思っていた圭太は、スキー教室の吹雪の中で、ふしぎな女の子に出会う。その女の子は「ここでわたしに会ったことはヒミツだよ」といい残して行ってしまう。そのようすを見ていた昌也くんのおとうさんは「あれは…雪女の子、雪ん子だ」という。そして、雪女伝説を利用して、あるたくらみを思いつくのだが…。
文/竹原雅子
編集/木村春子