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- ためしよみ
広い場所に立って、風をよみ、羽を広げ……飛ぶよ! 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『チョウになりたい』。「好き」の力を教えてくれる絵本、いったいどんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
紙や鉛筆、絵の具にはさみに洋服に、出来上がったばかりの大きな羽。部屋中を散らかしながら夢中になって作ったものを身に着け、男の子は外へ出かける。
広い場所に立って、風をよみ、羽を広げ……飛ぶよ! くるり、くるくるり、すいーすすすいー、ひらひらひら。チョウになっている自分が好き!
でも、時には誰かに邪魔されることだってある。またあの子たちだ。からかったり、羽に勝手に触ったり。嫌だな。心が折れそうになる。けれど、パパはいつだって応援してくれるから大丈夫。またチョウになる。今度こそ……。
そこかしこから「好き」が伝わってくる部屋。
理解されずに、からかわれてしまうことだってあるけれど……
自分の「好き」に夢中になり、自分の「好き」を大事にする。誰に何を言われても、応援してくれる人がいれば、それが力になってくれるから。作者自身の子ども時代の経験をもとに創作されたというこの絵本。何より魅力的なのは、ワクワクと好奇心が止まらない心や、好きという気持ちに真摯に向き合っている瞬間を、それは楽しく賑やかに描き出してくれている絵。読んでいる人の心まで、軽やかに幸せにしてくれるのです。
やがてまわりの人にも広がっていく。
「好き」って、そういうこと。
伝わってきますよね!
ボローニャ国際児童図書展絵本原画コンクール入選作家、初の邦訳出版です。
「好き」の力を目の当たりにした時に
体の何倍もの大きさの羽をつけ、色どり鮮やかな服を身につけ、頭にはなんだか変わった葉っぱをつけている。そんな姿をした子が突然目の前にあらわれたら、びっくりしてしまうかもしれない。何をしているんだろうと不思議に思うかもしれない。けれど、目を輝かせながら何度でも挑戦し、嬉しそうに飛びまわり、風と一体となっている姿を目にしたら、応援せずにはいられなくなってしまうのです。「好き」の力を目の当たりにした時、「好き」に巻きこまれていく人だって、同じくらい素敵だと思いますよね。
この書籍を作った人
ベルリン在住のフランス人画家・絵本作家。 絵本のデビュー作は2021年アメリカで出版された"Does Earth Feel"。 2作目の本書『チョウになりたい』(原題"Butterfly Child")の絵が評価され、2023年ボローニャ国際児童図書展 国際絵本原画コンクールに入選。その後、アメリカとフランスでの作品発表を続けている。 “Bridges"は2024年ボローニャ国際児童図書展のオリジナルアート展に選ばれた。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。