実際に鈴木のりたけさんの取材現場に立ち会った絵本ナビ営業部長篠氏に、取材を受けることになったきっかけから取材現場の様子までをインタビューしてみました!
─── 「しごとば」に米農家の「しんせき」として登場していて・・・うらやましい!そもそもどうして取材を受けられることになったのでしょうか。きっかけを教えてください。
PR日記の第1回にもあったように、奥さんの実家が新潟の米農家で。休みになるとしょっちゅう手伝いに行ってるんです。それで、営業の際や懇親会などの話のネタとして、農作業の話や義父の武勇伝などをいつも話題にしていたんです。ブロンズ新社の方も『しごとば』がシリーズ化する前からいつもその話をすると楽しんでくださっていたんですよね。
今回鈴木のりたけさんが『続々・しごとば』に「農家」というお仕事を描かれると決まった時に、編集の方がその時の話を思い出して僕に声をかけてくださったんだと思います。
─── ちなみに奥さんへの実家へはどの位のペースで行っているんですか?
田植えの時期、収穫の時期、それから連休の度に行くので年に・・・12回位かな。滞在日数で換算すると軽く一ヶ月分ぐらい行くでしょうね。
─── そんなに!?どうりでネタが豊富なはず(笑)。「取材」の依頼が来た時はどんな事を思いましたか?
いやぁ、すごく光栄なことだと思いましたね。次に思ったのは・・・いかに義父を説得するか。絶対ダメって言わせないように(笑)。すぐにその事で頭がいっぱいになって。義父は、自分が納得しない事は一切やらないという絵に描いたような頑固者なんです。『しごとば』がどれだけ素晴らしい作品か、どれだけ人気があって売れている作品か、という事を伝えるのに必死になりました。もうプレゼン、仕事でしたね。私の力になるならばと、何とかOKしてもらいました。
─── 取材当日までの事前準備は得意分野ですよね。
事前にのりたけさんにはどんな事をお聞きになりたいか確認を取った上で、新潟の家の方では何を準備しておいてもらうのが良いのか色々考えました。見応えのある機械や道具はたくさんあるんですけど、そうはいっても実際の作業場の仕事道具や機会は季節に応じた置き方になっているんですよね。例えば田植え機とコンバインというのは、本当は同時期に登場しないんです。でもやっぱりここは見てもらいたいと思ったので、出しておいてもらったり。取材に来られる時期には田植えが終わっているので、写真などで説明ができるように資料を用意してもらって。なるべく手間をかけ過ぎずに、でもいい取材をしてもらえるように・・・そういう部分に気を使いました。
─── そうして迎えた取材当日!その時の様子を教えてください。
当日はのりたけさんと編集の沖本さんのお二人で来られて。奥さんの実家に取材が入るというのは不思議な光景でしたね。
最初は写真や資料を見ながら米作りについての話をして。のりたけさんは熱心にメモを取られながら、時々義父に対して絶妙なつっこみが入るんです。内心「俺にはできない・・・」とハラハラしたり、感心したりして(笑)。でも、とても自然な雰囲気で取材は進んでいきました。
そして実際に米作りの道具がしまってある作業場に到着すると、俄然のりたけさんのテンションがあがって(笑)、目がキラキラしていました。
用意しておいてもらったコンバインにはすぐに反応してくれて、写真を撮ったり、実際に乗ってみたり、乗りながらスケッチしたり・・・。更に作業場の隅の方にある道具なんかも目ざとく見つけては「あれ何ですか?」「何に使うんですか?」と、どんどん質問が飛んでいました。
そのテンションにつられて義父の説明もどんどん詳しくなっていき、いつのまにかすごく饒舌になっていましたね。
取材自体は3〜4時間でしたが、のりたけさんは興味を引かれたものは全て確認していて、それがそのまま作品に生かされているのだと実感しました。印象的だったのは、この作業場をどういうアングルで描けば魅力的になるか、外の田んぼもどう一緒に描くかという事をすごく真剣に悩まれていたこと。どんな風に描かれるのか、想像もつきませんでしたね。
─── 取材後のおとうさんの反応はいかがでしたか?
「鈴木のりたけさんも、編集の沖本さんもとても感じのいいお二人だったので、絵本が出来上がるのを楽しみにしている」と言っていました。
ああ、こういう雰囲気で取材されるから、皆さん(他の仕事場の現場の方も)快く引き受けらるんだろうなぁと改めて納得です。
─── その後、確認作業があって・・・。
後日、まずラフを見せて頂いたんです。その時点で「こうなったのか!」と本当に驚きました。
作業場の雰囲気はそのままで、でも見る側にとってもわかりやすく道具が全部登場していて。
それから義父にはFAXで流して確認してもらって。作業の流れの工程の細かい部分の修正や、「他の農家の場合は違うのでは・・・」といった部分を気にしたりといった事はあったけど、道具の形や名前などは殆ど修正なしでした。さすがです。
─── そして・・・ついに本の完成!!おとうさんの感想をお願いします。
「こりゃ良い出来、予想以上だわ!!
これは自慢できる。早速近所に持ってまわって自慢してくる!!」
という最高の賛辞をもらいました。感無量です(笑)。
─── ありがとうございました。