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- ためしよみ
絵本紹介
2021.03.18
長年、子どもの本を出版している、出版社の記念日をお祝いする連載。第1回目は2020年から2021年にかけて130年を迎えた、大日本図書さんです。
大日本図書というと、教科書の出版社と思われている方も いらっしゃるのではないでしょうか? 実は、「ばけばけばけばけ ばけたくん」シリーズや、「ぼくはめいたんてい」シリーズなど、人気の絵本・児童書をたくさん出版している会社なんですよ。
食いしん坊のおばけの子「ばけたくん」が、いろいろな食べ物を食べて、その食べ物に姿を変える人気絵本。2009年に生まれた「ばけたくん」のシリーズは9作品! 毎回、どんなものを食べるのか、子どもたちがワクワク楽しみにしています。食べ物に興味を持ちはじめる小さいお子さんからオススメの作品です。
みどころ
「ばけばけばけばけ・・・」
舌をかみそうになりながら題名を読んでいるだけで、子ども達はもう嬉しそう。
試しに自分でも声に出して「ばけばけばけばけばけ・・・」あれ?
大きな目玉の可愛い顔に期待しながら中を開くと、
やっぱりふわふわキュートなおばけの子。
美味しそうなぺろぺろキャンディーをなめると・・・あらららら。
今度はいちごを食べると・・・おやおやおや。ページをめくると、ばけたくんがそれはそれは鮮やかに変身していくのです。
次に食べるのはなに?
これだけ紹介していくだけで伝わるかと思います。
シンプル明快!とても絵本らしい遊びとユーモア、そして愛嬌に溢れた一冊なのです。
でも油断していると、これがなかなか手強い展開。
作者は今作がデビュー作。一筋縄ではいかない予感を抱かせてくれる期待の新人作家さんの登場に嬉しくなりますね。
探偵帽にトレンチコート姿の少年ネートは「めいたんてい」。今日も相棒のスラッジと一緒に、数々の事件に挑みます。
1982年に日本で初めて紹介されて以来、子どもたちの探偵心を刺激し、長く愛されている幼年童話が、この「ぼくはめいたんてい」シリーズです。はじめての一人読みにもオススメです。
みどころ
9歳のネートは探偵です。
今日もネートの元に1本の電話が入りました。
仲良しの女の子アニーから、なくなった絵を探してほしいとの依頼です。
すぐにアニーのところへ駆けつけるネート。
まず、アニーの話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調べます。
次に、その絵を見た他の人たちー仲良しのロザモンド、弟のハリー、犬のファングについて丁寧に調査していきます。
はたしてネートは、アニーのなくなった絵を発見することができたのでしょうか。
一見、すぐに解けそうと思わせておきながら、意外になかなか解けないナゾの面白さと、ネートのツボを押さえた探偵ぶりに子どもも(大人も!)たちまち心を掴まれてしまいます。
また9歳という年齢でありながら、どんなナゾが来ても常に落ち着き、周りから頼りにされているネート。子どもたちは、自分と同じぐらいの年齢の子の活躍とカッコよさにたちまち憧れてしまうのではないでしょうか。一方でパンケーキが大好物で、気が付けばいつもパンケーキを食べているところには親しみを感じてしまいますね。
こちらは、1982年の発売以来、たくさんの子どもたちに愛され、読み継がれてきた「ぼくはめいたんてい」シリーズの第1巻目。マージョリー・W・シャーマットさんによる全17巻となるこちらのシリーズは、5歳ぐらいから小学校低学年の子どもたちにちょうど良いハラハラさで、子どもたちがはじめて物語の楽しさに出会えるシリーズでもあります。つぎつぎにネートに降りかかるナゾ解きの面白さはもちろんのこと、巻ごとに増えていく個性的な登場人物、ネートからママへの置き手紙の内容など、読めば読むほど多くの楽しみをも発見できるでしょう。
すべての漢字にふりがながついているので、はじめての読み物としてもぴったり。ひとり読みに移る前に、まずは読んであげながら親子で一緒にナゾ解きを楽しんでみるのもいいですね。シーモントさんの温かくユーモアたっぷりの挿絵と、訳者の小宮由さんの柔らかな語り口も、子どもたちの読書をやさしく応援してくれます。お話の最後には「めいたんていのこころえ」もついていて、もし周りでなにかナゾが起きた時の役に立つかも!? さあ、ネートとどんどんナゾを解いて、一緒に名探偵になろう!
赤ちゃん絵本ビギナーやはじめてパパママになる方にぜひ揃えていただきたいのが、この「語りかけ絵本」シリーズ。文をそのまま読めば、自然と語りかけができて、親子のコミュニケーションが楽しめるように工夫されている作品です。
みどころ
「なんだろな。なんだろね。
そう い、ち、ご。
だいすきね。」
語りかけるような言葉に合わせて、
美味しそうないちごが次々登場して、パクリポクリと食べられて、緑色のヘタが残ります。
そのリズムの優しいこと、楽しいこと!
この絵本は、赤ちゃんへの語りかけのために作られています。
作者は絵本コーディネーターで絵本作家の、こがようこさん。
色鮮やかで、ふわっと優しい質感の絵が、あかちゃんの心をひきつけます。
文章は、そのまま読めば、普段話しかけているときのように自然と語りかけられるようになっているのがポイント。
後ろの見返しには、こんなふうに読んでみてね、という「ちょこっとヒント」がまとめてあります。
例えば、いちごが転がる場面では、
「ころころころころ まてまてまてまて」と好きなだけ繰り返して!
「ころころころ…」の音に合わせてからだを優しくこちょこちょしてみてね、など。
気軽に実践できる具体的なヒントが載っているので、まずはこれを試してみると楽しそうですね。
あかちゃんへ絵本を読んであげたいけれど、何から読めばいいのか難しい。
語りかけは大切って聞くけれど、どうしていいかわからない。
意外とそんな声をよく聞きます。
そんなパパママのために考えられた、応援絵本です。
親子で絵本を楽しむファーストステップにぴったり。
同シリーズの『語りかけ絵本 ひよこ』も一緒に、ぜひ、親子の触れ合いの時間に加えてみてくださいね。
キャラクターデザイナーとして、そして絵本作家として、今までに100冊以上の絵本に関わってきた、たかいよしかずさん。たかいよしかずさんが、長年、子どもたちに伝えたいと思い続けたことを形にしたという、思いのこもった絵本シリーズです。
みどころ
「友達ってどうやって作るの?」
大人だって答えるのは簡単ではありません。
子どもたちにとっては、人間関係の最初の試練、一大事です。
入学式、クラス替え、
そんな、友達作りの入り口に立った子どもたちに、いったいどんなことを伝えてあげたらいいのでしょう?
げんきなこ、どうぶつずきなこ、まじめなこ、おもしろいこ、じまんするこ、うそつきなこ・・・
まわりにはいろんな子がいます。
どんな子と友達になりたい?と、まずは、考えますよね。
でもそれって、裏返すと、どんな子が友達になってほしいと思ってもらえるかということでもあるんです。
友達選びは、まず自分を知ることから。
それから、どんな風に友達になったらいいかを考えてみましょう。
この絵本の特徴は、実践的に使えるところ。
巻末のページをコピーすると、書き込めるワークシートになっています。
好きな食べ物、得意なこと、苦手なこと、将来の夢。
絵本のページを参考に、自分のことを記入してみてください。
どうやったら誰かと友達になれるかのアクションや、人間関係の基本的なルールも、絵本の中でゲームのように楽しみながら学べるようになっています。
小さな子にも、やさしい言葉とわかりやすい楽しい絵で、語りかけてくれる絵本。
頭も心も柔らかい時期に、親子はもちろん、グループやクラスで話し合うきっかけになるといいですね。
「よい友達がいれば、真っすぐ生きていける」
「友達は一生の宝物です」
作者は、今まで100冊以上の絵本に関わってきた、絵本作家たかいよしかずさん。
長年子どもたちに伝えたいと思い続けたことを形にしたという、思いのこもった絵本です。
130周年のお祝いに、大日本図書ゆかりの絵本作家さんからメッセージが届きました。
弊社は、1890年(明治23年)の3月1日に、初等学校で使われる教科書を出版する会社として創業を始め、関東大震災など幾多の困難を乗り越え、2020年3月に130年目の創立記念日を迎えました。
現在も、小学校・中学校をはじめとした教科書を中心に、心理学などの学術書や、一昨年メディアで話題となった新美南吉の『でんでんむしのかなしみ』、幼稚園・保育園でも人気の「ばけたくん」シリーズ、ロングセラーとなっている『いろいろバス』などの絵本や「ぼくはめいたんてい」シリーズ、「こころのほんばこ」シリーズなどの幼年文学などがあり、何世代も読み継がれる作品を多く出版しています。