ディズニープリンセス じぶんもまわりもしあわせにする おやくそくブック(Gakken)
SNSで話題!すてきな大人になるために大切にしたい「おやくそく」を紹介する絵本。
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インタビュー
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2009.04.08
子ども達に大人気「そらまめくん」シリーズや「くろよんのくろくん」シリーズなどで、絵本ナビでもおなじみの絵本作家さんと言えばなかやみわさん。
この人にインタビューしました
埼玉県生まれ。女子美術短期大学造形科グラフィックデザイン教室卒業。企業のデザイナーを経て、絵本作家になる。主な絵本に「そらまめくん」シリーズ(福音館書店・小学館)、「ばすくん」シリーズ(小学館)、「くれよんのくろくん」シリーズ(童心社)、「どんぐりむら」シリーズ(学研)、「こぐまのくうぴい」シリーズ(ミキハウス)など多数ある。愛くるしく魅力的な登場人物を描いた絵本作品は、子どもたちの絶大な支持を受けている。
そのなかやさんが、小さな子ども達のために、「こぐまのくうぴい」というかわいらしい「しつけ絵本」を出されているのはご存知でしたか?
あいさつ、トイレ、おふろ……など、子ども達にとって身近なテーマばかり。なかやさんご自身が育児を経験され、母親の視点から描かれているという『こぐまのくうぴい』シリーズ、とっても興味を惹かれますよね。
今回、このシリーズを出版されている三起商行(ミキハウス)さんにご協力頂き、オンラインショップ「ミキハウスチャオ」と絵本ナビの連動企画の一つとして『なかやみわさんへのインタビュー』が実現いたしました!
シリーズ誕生のきっかけや制作秘話、また「しつけ絵本」についてなど普段なかなか聞く事の出来ない貴重なエピソードを、とてもわかりやすく丁寧に語ってくださったなかやさん。最後には絵本ナビの読者に向けて、素敵な直筆メッセージもご紹介します! お楽しみに。
──『こぐまのくうぴい』シリーズは、なかやさんのお子様が誕生されてから創作された絵本だと伺いました。実際の子育て経験が、この絵本をつくるきっかけとなったのでしょうか?
「しつけをテーマにした絵本は、各出版社から多数刊行されていますが、子どもを授かる前は、正直言って、このような絵本を見てもピンとくるものがありませんでした。むしろ絵本でしつけを子どもに伝えることが、本当に必要なのかどうかと疑問に思っていました。
しかし、育児というものを経験し、その必要性を実感しました。歯磨き、トイレ、挨拶など、ごくごく基本的な生活習慣を、生まれてまだ数年しかたっていない幼児に教えていくことって、本当に難しかったからです。いくら教えても、しようとしない、嫌がるばかりで、親子共にイライラしてしまうことの繰り返し。
そんな時、各出版社から刊行されている「しつけ絵本」を読み聞かせた所、非常に反応がよく、トイレなどにも自然に興味を持つようになりました。
それからは「しつけ絵本」をきっかけに、いろいろな生活習慣を子供に分かりやすく、かつ楽しく伝えることができたのです。私にとっては目から鱗の瞬間でした。そして「しつけ絵本」の存在を、大変ありがたく思いました。
小さいお子さんをお持ちのお母さんには、こういった悩みは常につきまとい、育児そのものに嫌気がさしてしまうことだってあると思います。そういったお母さんを応援したいという思いで、この「こぐまのくうぴい」シリーズを立ち上げました。
──実際にこの絵本をお子様と読まれている方の話や、絵本ナビに寄せられたレビューの中でも、「子どもが喜んで聞いている」「何度も繰り返し読んで欲しいとせがまれる」などの声が多く、「赤ちゃん絵本」として小さな子ども達のお気に入りとなっていることを感じます。なにか、子どもの心をつかむ秘密があるのでしょうか?
しつけ絵本は、主人公と同じように、挨拶をしたり、トイレをしたり、食事をしたり……というふうに、主人公を通じて生活習慣を覚えてもらいたいという意図があり、そのためには、幼い子ども達に共感してもらえる主人公を作りこまなければなりません。こぐまを主人公にしたのも、こういった理由が含まれます。
こぐまは、男の子でも女の子でも受け入れてくれる動物と言われています。実際、こぐまのぬいぐるみ(ティディベア)は性別、年齢を超えて世界中の人々に愛されています。
身近なモノを擬人化しているのも、幼児のそばにいつもあるものですから、親近感をもってもらえると思ったからです。3歳くらいまでの幼児というのは、生命のないものでも、生きていると思う傾向があると聞いたことがあります。実際、おもちゃなどを乱暴に扱っている時に、
「おもちゃくんが、痛いって言ってるよ!」
と言うと、たいていの子どもはかわいそうだと思いやめるそうです。中には、おもちゃをなでてあげる子どももいるそうです。私の子どもも、同じでした。
そういった年齢の子どもを意識して、「くうぴい」というキャラクターを作りました。子ども達も小さいながらに「くうぴい」に共感してくれたからこそ、お気に入りの絵本となって親しんでくれているのではないかと思います。
──「こぐまのくうぴい」シリーズを制作される時、他の創作絵本に取り組まれる時との違いは意識されたのでしょうか?
このシリーズは、とても小さいお子さんに読んでもらうものなので、絵柄や内容は明快にするよう気をつけました。また、文はわかりやすい言葉を選び、読んでもらった時、心地よいリズム感ができるよう配慮しました。
その点が、物語絵本を作る時との違いだと思います。
「くうぴい」は、太い輪郭で縁取られたキャラクターで、絵柄も単純ですが、こぐまの毛皮のふわふわ感や、あたたかさを少しでも取り入れたかったので、色をつける際には、単調にならないように、カラーインクを数回かさねて、色に深みを出すように取り組みました。
──他の作品も含め、子ども達がパパやママのひざの上にいる時の様な、安心感のある温かい絵が、とても魅力的です。また、まわりの友だちとの関係などをしっかり描かれているものが多い印象もありますね。
なかやさんが、作品を通して子ども達に伝えていきたいことはなんでしょうか?
特に、伝えたいメッセージがあるというわけではないのですが、自然にお友達とのやり取りなどを取り入れてしまうことが多いです。
やはり小さい子どもでも、一人の人間なわけで、人と人が気持ちよく生きるためには、相手を思いやり、相手の気持ちを考えて行動しなければならないものだと思います。幼いうちは、まだまだ経験が少ないので、いろんな自我がでてしまいますが、それを子どもらしいという一言でかたづけるのはよくないと思っています。
幼い子どもが、絵本を通じて、こんなことをしてもらったら嬉しいなとか、こんなことをされたら悲しいなとか、なんとなくでもよいので気づいてもらえたら、いつか実体験を通じて、人に対して思いやりの持てる子供に成長してくれるのではないかと信じています。
柔らかい口調の中でも、それぞれの作品、そして子ども達に対して、とても真摯に向き合っているなかやみわさんの姿勢を感じられる言葉がとても印象的でした。だからこそ、なかやさんの作品には親子で一緒に楽しめる温かい時間が流れているのかもしれませんね。
そんななかやみわさんが、絵本ナビの読者の為にこんな素敵な直筆メッセージを描いてくださいました!!
なかやみわさん、ありがとうございました!!