●日々の生活で使う「お金」を入口に、社会の仕組みまで学べるドリルを目指して
───シリーズの中でも、特に注目したいのが『まなべる おかねとしゃかい』です。最近大人向けでも、「お金」について学ぶことが注目されていますが、幼児向けのドリルで「お金」を取り上げようと思ったきっかけは、なんでしたか?
思考力を育て、学習の土台を作ります。 学んだ内容を生かしながら次にステップアップできる構成になっているので、お子さまが「できた!」を実感でき、思考力とやる気が育ちます。 自ら判断し、行動する力を、お金の学習を通して育みます。 「お釣りってなんだろう?」「おうちのお金はどこからくるの?」「ICカードは魔法のカードなの?」といった、子どもの疑問をイラストや付録のお金カードなどを使って、丁寧にわかりやすく学習します。 お金の計算を学びます。 お金の計算についてステップアップしながら学習します。
七五三(しめ):保護者様の要望として、「幼児の段階でもお金を学習させたい、経済観念を身につけさせたい」という気持ちがあるなと感じたことです。「お金」と聞くと、真っ先に買い物金額の合計やお釣りの計算が思い浮かびますが、「経済観念」とはちょっと違いますよね。そこで、「お金」を通じて社会と繋がるような教材にしたいという思いから、『まなべる おかねとしゃかい』というタイトルのドリルを制作しました。
───そこで、NPO「子どものお金教育を考える会」の代表、あんびるさんに監修を依頼したのですね。あんびるさんは、ドリルの企画や構成を見てどんな風に思いましたか?
あんびる:ラフ(本番になる前のアイデアをまとめたもの)の段階で見せていただいたのですが、算数ではなく、生活から学ぶという視点から「お金」を捉えているのが、おもしろいなと思いました。
七五三(しめ):あんびるさんとは、かなり長い時間打ち合わせをさせていただいて、ドリルの流れを一緒に作り上げました。その中でさすがプロだなと感じたのは、「お金」についてさまざまな切り口と手法を使って、ドリルの中で繰り返し教えていくことでした。
あんびる:最初は、お金の形を覚えるところから。シールを貼ったり、迷路遊びをしたりと、いろんな遊びを通して学びます。次にお金をなにに使うかを、生活面から考える問題が登場します。その後で、5円玉1枚は1円玉5枚と同じという両替、つまり「=(イコール)」の概念や、お釣りを理解してもらうために数の要素が入ってきます。お釣りの概念って、子どもにとってすごく難しいんですよ。100円玉でおかしを買ってお釣りで30円もらうと、単純に「数が増えたからうれしい!」と喜んじゃう。だからドリルではすべて可視化して、わかりやすく繰り返し説明しています。
───パッと見た目でわかるので、子どもも理解しやすそうです。
あんびる:お金の勘定をマスターしたら、お金の稼ぎ方を学んで、最後はアイスクリーム屋さんを経営して、きちんと利益を出すところまでドリルになっているんですよ。
───かなり本格的なごっこ遊びなんですね。利益のことまで教えるのはなぜですか?
あんびる:経済活動の仕組みがわかるからです。儲けが出ないとお店を続けることができないことや、アルバイトを雇ってお給料を払うことまでやって、経済センスを育てるのが主な目的です。
───お店屋さんごっこで、お金の流れが理解できるようになっているんですね。
あんびる:そうなんです。学校の授業は、国語、算数、生活(社会、公民、家庭科)など、お金にまつわる内容がいろいろな科目に分かれていますが、日常生活の視点から「お金」を見ると、すべての教科が関わっているんですよ。「お金」は算数を勉強するだけのものではなくて、世の中の仕組みや動きに繋がっていることを勉強するのに、ぴったりの教材なんです。しかも、日常生活の中で繰り返し体験学習ができるのが、子どもの知識の定着にもつながります。
───親も子どもと一緒にじっくり取り組んでみたいと思いました。次は、ドリルを作るときに苦労したことや、ドリルの活用法についてお話を聞きます。