こんなに大量なだるまを、絵本に登場させてしまう作者ってどんな人?
・・・と思っていたら。何と絵本ナビオフィスに遊びに来てくださいました!
作者の高畠那生さんは、お会いしてびっくりするほどさわやかな雰囲気の方でした。
と言っても、今まで出されている作品のイメージにはぴったりなのかもしれません。実は、日本人離れした、軽快であか抜けた雰囲気の絵本が多いのです。
高畠那生さんの作品はこちら>>>
そんなハイセンスなタッチと、こてこてな「和物」、だるまという違和感ありありの組み合わせなのが今回の新刊「だるまだ!」です。かなり面白い事になっていますよ。
まず気になるのは、その頭の形!
だるまの持つ、いい形を探っていくうちに、こんなにずんっ、とせり出した頭になったそうです。
・・・そうだったんですか。多くの方が感じてしまったであろう「リーゼント」という訳では決してないそうですよ。(でも、理容室の片隅でリーゼントのかつらをかぶっているだるまの絵は見逃していませんよ!)
そして、だるまに埋め尽くされた風景の中でも印象的な「ダルメシアン」。
こちらも、期せずして思いついたそうで、決してだじゃれのつもりではないそうですよ。
更にあちらこちらに、目に飛び込んでくる印象的な場面の数々。
こんな風に高畠さんは、パッと描きたい画面のイメージが浮かんで、殆ど文章も同時に出来上がっていくそうなんです。だから原画を描くスピードもとっても速いそうですよ。
こんな創り方が出来る作家さんは、そう多くはいない様な気がします。
その感覚の良さが、スピード感溢れる絵や、軽快な小気味良い流れとなって伝わってくるんですね。
絵本つくりで苦しむ事はない、と言い切る姿が実に清々しく、こちらまで嬉しくなってきてしまうのです。
その上で、節々にににじみ出てくるユーモアのセンス。読んでいる人は楽しくなってくるのは当然ですね。
楽しそうに絵本作りについて語ってくださる高畠さん
ところで、高畠那生さんのお父様というのは、やはり絵本作家の高畠純さんだと言うのは
ご存知でしたか?
高畠純さんの作品はこちらから>>>
人気作家のお父様と同じ仕事をやられている、というのは我々には分からないプレッシャーが・・・という訳でもなさそうで、実に自然に何でも話してくださいました。
20代半ば、絵本を描き始めた頃も「これは凄いのができた!」という感覚でお父様に見せたりもしていたそうです。
気負いが感じられないのも才能なのかもしれませんね。
(そのまま全部出版されている所がもっと凄いのですが。)
小さい頃からアトリエへの出入りは自由だったそうで、特に絵を描くのが好きだった記憶がある訳ではないそうですが、絵を仕事にする・・・という事がどういう事のなのかは自然と身についているのではないでしょうか。
ご自身も1歳半になる娘さんがいらっしゃるそうで、「お子様がお生まれになってから絵本作りの姿勢が変わった事はありますか?」という問いに
「特に具体的に変わったと感じる事は思いつかない。」
とお答えになり、ただ、絵本を作る上での様々な要素のひとつとして大きく関わっている事には間違いないともおっしゃっていました。
こんな所からも、高畠さんのとても自然体な仕事への姿勢というのが感じ取る事ができますね。
これからもどんどん色々な要素を吸収されて、面白く変化していくであろう絵本達が今からとっても楽しみです。
記念にぱちり。ありがとうございました。
また面白い企画が出来たらいいなぁ・・・。