うわーっ!田んぼの中に思いっきり尻もちついちゃった。 体が埋もれていくような冷たい泥の感触は気持ち良いの悪いの?もう思わず笑っちゃうしかない! あぁ疲れたー!田んぼから出てみんなで道路に寝ころんでみる。 達成感とともに体中で感じるのは、太陽の暖かさと大地の力。
表紙にも背表紙にも、田園風景の中でなんとも楽しそうで気持ちよさそうな子どもたちがいっぱい。 そんな笑顔が伝わってきて、本を手にとった瞬間こちらまでニンマリしてしまいます。 彼らは八ヶ岳のふもとにある富士見町立本郷小学校に通う小学5年生。 この学校では昔から、機械を使わず手作業で「もち米」を作る伝統授業が続いています。 自然写真家の西村豊さんが見守り続けた子どもたちのお米作りの一年が、写真とエッセイで一冊の絵本となりました。
4月、いよいよお米作りの始まり。 種まきや田起こしといった力仕事に「疲れる」「やだなぁ」最初は不満の声を上げていた子どもたちですが… 苗植えのために土を平らにする「代かき」で田んぼに足を踏み入れたその日から! 一人の子が田んぼの中を走り始めたら、たちまちあっちからもこっちからも泥が飛んできて、しまいには西村さんめがけて泥が投げられて、おっとカメラが危ない!…笑顔と笑い声に包まれた授業に早変わりです。 長野県諏訪地方の方言で「いたずらっ子、やんちゃな子」の意味の「ごたっ子」。 まさにごたっ子を地で行く本郷小学校の子どもたちは、すっかり「土」と友だちになってしまうからさすがです。 春夏秋冬、八ヶ岳の豊かな自然に囲まれた美しい田んぼの風景のなかで、稲の成長とともに、子どもたちの姿や表情もみるみるとたくましくなっていきます。 そんな子どもたちのお米作りの一年は、食べ物を作る大変さと喜び、自然を感じながら暮らす人の営みの原点を教えてくれます。
こんな経験をさせてあげたいけれどなかなか実現できない子どもたちも、ぜひこの写真絵本で体感してみてくださいね。 見返しについているすごろくやクイズめいろで遊びながら、米作りの流れやお米の種類を振り返るのも楽しい、学習にもおすすめな一冊です。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
5年生が一年を通して田んぼに取り組む姿を追う。どろんこをいやがっていた子どもたちが、土や水と一体になり、稲の生長とともに育って行く様子を描写する。心のたからものは、お金やモノ以外にあることを伝えます。
子供の学校で、今年度久しぶりに田植えが行われたので、興味があり、読んでみました。
何となく田植えというとうるち米を思い浮かべますが、この本の学校ではもち米を植えています。
でも最後の方の餅つきの話まで読み進めると、もち米という選択、いいなぁと思いました。
稲を育てていく過程で、子供達が生き生きとしているのもとても素敵でした。
(hime59153さん 40代・ママ 男の子10歳)
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