本来のメルヒェンとはどんなものだったのか。グリム兄弟が書き替えていく過程でいったい何が失われていったのか。グリム童話の本源に迫るうえで欠くことのできない〈初版〉の全訳。
〈初版〉の全訳 現在読み継がれているグリム童話集第七版では、白雪姫を殺そうとするのは継母だが、〈初版〉では実の母親になっている。グリム兄弟はこの童話の残酷さゆえに、初版の刊行以降みずから何度も書き替えを施した。しかしその過程で何かが失われたのではないだろうか。本来のメルヒェンとは何か、グリム童話の本源に迫るうえで欠くことのできない〈初版〉の全訳。
グリム童話はグリム兄弟が集めたドイツの民話集だと考えたら当たり前かもしれないのですが、類似した物語がいろいろと出てきます。まさに日本昔話の内容が、地方によって微妙に違うのと同じです。
初期のグリム童話集には、改訂をくわえるごとに形を変えていった物語の原型がふんだんにあると思います。
多少の粗雑さは、料理の素材を集めているような感じがあるのですが、初版でしか収録されていない作品も含まれていて、お得感のある一冊でした。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
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