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表題作ほか「ごんごろ鐘」「最後の胡弓ひき」など、民芸的な美しさと親しみぶかさを感じさせる南吉の代表作10編を収録。
おじいさんのランプを読んだのは少年時代です。それから何度も読み返しましたが、私はこのお話を読むたびに祖父のことを思い出さずにはいられません。我が家は商人の家です。祖父は昭和30年代に大阪でかまどを販売しました。一時はとても繁盛しましたが、やがてライフスタイルの変化とともに衰退して、タイル、不動産へと移っていきました。それだけにこのお話はとても興味深く、共感できるところがいっぱいありました。これはあらためて人生というものを考えさせてくれるお話です。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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