第63回小学館児童出版文化賞受賞!(『ぼくのふとんはうみでできている』) 第18回日本絵本大賞受賞!(『オオカミがとぶひ』) 第45回講談社出版文化賞絵本賞受賞!(『てつぞうはね』)
デビューから3作連続受賞、人気絵本作家ミロコマチコの新作絵本! ミロコマチコが命の気配に満ちた世界を描く。
命が芽吹く季節、ある日猫は気配を感じます。 「きいろがオレにまとわりつく……」 つかまえようとしてもするりと逃げるきいろ。 やがてそれはどんどん増殖して……。
「なにもかも きいろに まみれて おどりながら 描いたよ」(ミロコマチコ)
色には確かにエネルギーがある。ミロコ画伯だからというわけではないが、その背後にものすごく観察されている気配が、感じられるからだろう。
大きな黒枝大木、紙の白、オレ(猫)の青、それだけ。
枝の先に小さなまぁるい「きいろ」が現れる。
と、オレ(猫)の青は首をかしげて、それを観察する。
ミロコ画伯がものすごく猫を、しげしげ観察された表情に吸い込まれる。時間が止まったまま、子どもらはオレに見入るに違いない。
そして、オレの青が動く! と、小さなまぁるい「きいろ」も動く!
てんとう虫だ!そこから怒涛の「きいろ」と「青」のバトルが始まる。
画面の下から、横から上から、動の世界が繰り広げられる。
「はへ はへ はへ」とオレの青は疲れ果て、ぐったり横になる。
静のひとときのオレ(猫)の表情にまた、しびれる。なんて観察眼なんだろう。眠りにつく静けさに、子どもらは息を飲むだろう。
「きいろ」の正体はお楽しみとしてとっておこう。
感動の画伯ミロコ力、観察力に絵本の底力を思い知った一冊だ。
感謝、感謝。 (もゆらさん 60代・その他の方 )
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