森のおくのちいさなはらっぱにうまれた、木のあかちゃんのきぃちゃん。太陽をうけ、やさしい風に包まれ、元気いっぱいに大きくなっていましたが、ある日、けむしの兄弟がやってきて、きぃちゃんのはっぱを食べ始め……。自然のおおらかさと厳しさ、そして命の循環を、色鮮やかなコラージュとやさしい言葉で描いています。第30回日産 童話と絵本のグランプリ絵本大賞受賞作品。
木の成長を追ったストーリー。小さな木が育っていく中で虫に食べられたり、かんかん照りに照らされたり、花や実をつけても鳥についばまれてしまったり、木のきぃちゃんとともに様々な感情を一緒に体感できる絵本です。木というその場所から動けず、なす術がない存在のきぃちゃん。それでもじっと耐えたり、辛いという本心を見せたり、そんな心の動きに一緒に感情移入していくことができます。
子供に読み聞かせていても「どういう気持ちかな?」と語りかけると、「かなしいかも。」などと言った話を聞くことができ、きぃちゃんの気持ちを読み解こうとする姿勢に成長を感じました。 (みいつけたさん 30代・ママ 女の子3歳)
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