おかあさんのお弁当。 そう聞いて、きっと誰もが思い出すでしょう。 早起きしてのぞく朝の台所から漂う、おいしそうなにおい。 お弁当箱のふたを開く瞬間のワクワク、大好きなおかずと目があって思わずほころんじゃう頬。 だけど主人公マミちゃんが思い出すおかあさんのおべんとうは、みんなとはちょっと違うみたい・・・?
絵を描くお仕事をしているマミちゃんのおかあさん。 ときどき忘れん坊で、ときどき寝ぼすけで。 きわめつけは、のんきなこと。 明日はいよいよマミちゃんが楽しみにしている保育園の遠足だっていうのに、 いちばん大事なお弁当を作ることまで、うっかり忘れているほどなんです。 翌朝、マミちゃんが目を覚ますと…ぐうぐう。 予想通り?!のおかあさん、大爆睡という展開。 ねぇ、お弁当は?間に合うの?! なのにおかあさん、マミちゃんの心配をよそにニコニコ笑って言うのです。 「だいじょうぶ、だいじょうぶ。おかあさんは、マミちゃんのおかあさんなんだから。」
身につまされます。 肝心な日に朝寝坊しちゃうとか、まるで自分を見ているみたい。 こんなお母さんを持った子どもはきっと毎日ハラハラドキドキの連続でしょうね(ごめんね)。 だけどマミちゃんのおかあさん、どんなピンチが訪れたって合言葉は 「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」「へいき、へいき。」 毎日頑張りすぎちゃうお母さんたちの心を、優しくほぐしてくれるみたい。 マミちゃんのおかあさんの笑顔に、作者のたるいしまこさんが思い浮かびます。
さてマミちゃんのおかあさん、このピンチをいったいどうやって切り抜けたんでしょうね? 目からウロコの見事なアイデアは絵本を読んでのお楽しみです。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
マミちゃんのおかあさんは、たまに失敗してしまいます。 でも、いつも「だいじょうぶだいじょうぶ。おかあさんは、マミちゃんのおかあさんだもの」と言ってくれるので、マミちゃんはなんだかとっても安心します。 さて、マミちゃんがたのしみにしていた遠足の日。 おかあさんは寝坊してしまいました。 マミちゃんはおべんとうが心配でたまりません。それでもなんとか間に合ったおかあさん。 お昼、みんなとお弁当のふたを開けると、おにぎりがたったひとつ。 でもそれはおかあさんのいうとおり、とってもおいしくてたのしいお弁当だったのでした!
表紙のおかあさんのとびっきりの笑顔が凄く素敵で、じっといつまでも見つめていたくなります。笑顔に出会うと笑顔が伝染してしまう不思議な力があると思いました。マミちゃんのおかあさんの「だいじょうぶ、だいじょうぶ。おかあさんは、マミちゃんのおかあさんなんだから。」に、マミちゃんでなくても魔法の言葉に安心してしまいそうです。子育てには、そんな言葉が大切なんだと思いました。明るい、何でも受け入れてくれるお母さんに脱帽です。たとえそれが忙しくて出来なくてもいいかなあって思いました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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