チャロ、チョコ、チュンはすずめのきょうだい。 ときどきケンカもするけれど、いつも3羽一緒です。 寒い冬の朝は、みんなで固まって暖を取り、お腹が空いたら、犬の残したご飯を失敬して、仲良く分け合って暮らしています。 なぜいつも一緒なのかというと、すずめはとても小さいので、大きいカラスや動きのすばやいネコに、いつも狙われているからです。
ある日3羽は、いつもご飯を失敬する犬が、実はわざとすずめの分を残していてくれたことに気がつきます。 「おれいを しなくっちゃ!」3羽は、犬に甘い蜜の花をプレゼントすることにしました。 せっせと花びらを集める3羽。その姿をネコがじっと狙っていて……。
このおはなしは、作者の山岡ひかるさんがケガしたスズメを13年間保護した経験から生まれたのだそうです。 切り絵のやわらかい、優しいタッチの中にも、小さい生き物たちが自然の中で生きていくことの大変さを感じることができるのではないでしょうか。 すずめたちの周りには時々ハラハラする出来事も起こるけれど、3羽一緒にいる姿を見ているだけで、暖かい気持ちになれる作品です。
(木村春子 絵本ナビ編集部)
すずめのきょうだいのお話。観察眼するどいチャロ、しっかりもののチョコ、のんびりやのチュンが、カラスやネコに食べられそうになったり、犬からえさをもらったり・・・。細部まで丁寧に描かれた切り絵がかわいいスズメの絵本。
作者自身の、すずめ保護体験がベースになっているようですね。
それだけに、リアリティが感じられます。
寒い冬の朝の、雀の兄弟、チャロ、チョコ、チュンのエピソード。
寒いからこそのけんかが、小雀らしくてほほえましいです。
でもそこは、自然界。
カラス、犬、猫との関係は、スリリングで考えさせられます。
雀たちと犬の交流は、とてもほっこり気分になりました。
やや複雑な関係性ですので、幼稚園児くらいから、でしょうか。
いつもながら、コラージュの絵に独特の立体感と奥行きがあり、
アングルも見事です。 (レイラさん 50代・ママ )
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