新しいくつを買って貰ったさきちゃん。玄関に並べてある、以前まで履いていたうさぎさんの付いたピンクの靴が、寂しそうにしているような気がしました。
「おかあさん、もしかして うさちゃんのくつ すてちゃうの?」 涙目になってさきちゃんは尋ねます。 お母さんは、優しく言いました。 「どうしたらいいか かんがえてみるからね。」
さきちゃんは、それからうさちゃんの顔が頭から離れません。 たくさんの思い出が詰まったうさちゃんの靴は、いったいどうなるのでしょう。
さきちゃんは3歳位でしょうか、この位の年齢になると、物を慈しむ心も発達し、感情も豊かになってきます。 そんなさきちゃんを優しく見守るおかあさん…。
喜んだり、泣いたり、不安になったり、どのページのさきちゃんも、その心情が読む人に伝わる豊かで繊細なタッチで描かれています。 比較的長いお話なのに、最後までストーリーの成り行きを見守り、男の子でも自然とさきちゃんに感情移入できるでしょう。
さきちゃんの子どもならではの愛くるしさが胸に迫ってきます。
(福田亜紀子 元絵本編集者)
新しいくつを買ってもらったさきちゃん。でも、ずっといっしょだった“うさちゃんのくつ”との思い出がよみがえって…。持ちものへの愛情が芽生えた子どもと、わが子の成長をいとおしむ母親の姿をあたたかく描きます。
温かい雰囲気のイラストに惹かれ、手に取りました。
新しいくつを買ってもらったさきちゃん。大喜びで家の中で履いてはしゃいでいるのですが、ふと、今まで履いていたうさちゃんのくつのことを思い出します。
子どもが小さい頃、サイズアウトしたくつを捨てようとすると、「まだはく」と言って子どもたちにごねられたことを思い出しました。何気ないやりとりでしたが、実は大切なことだったのかもしれません。
優しく見守るさきちゃんのお母さんも素敵でした。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子13歳)
|