蝶は、卵から生まれた幼虫がサナギになって、蝶になる。 そのことを知らない大人はいないと思います。 では、どんな卵なのか? アオムシは初めから緑色なのか? サナギからどんな風に出てくるのか? そこまで詳しく知っている人は、少ないかもしれません。
この絵本では、卵から成虫になるまでの変化を細かく紹介しています。 初めは黄色い卵がだんだん茶色になってきて、黒っぽくなってから孵化する。 とげとげのある茶色っぽい「いもむし」が、脱皮をくりかえしながら黒っぽくなり、最終的には緑のアオムシになる。 など、卵から成虫になるまでの事細かな変化が美しい絵で表現されているのですが、なんとこの絵は、すべて切り絵なんです。 作者のいまもりみつひこさんは、30年以上に渡り昆虫や自然などの写真を撮り続けてきた写真家。フィルターを通して見つめてきた蝶の成長が、切り絵となって美しく花開いています。
やさしい文で構成されているので、小さな子どもにもわかりやすいのと、、 さらに、学べる絵本なのに「教える文章」ではなく、「自分で気づいていく文章」なのが、また魅力的です。 「あっ なんだろう」 「なにを はじめたのだろう」 と、疑問を持ち、発見しながら観察する。 そんな「観察の基本姿勢」のようなものも、学ぶことができるのではないでしょうか。
(洪愛舜 編集者・ライター)
あれあれなにかがでてきた、なんだろう? チョウの成長を美しい切り絵と、やさしい文で、今森光彦が贈ります。
春のお話会で読みました。
アゲハチョウが卵から幼虫、羽化してちょうになるまでを細かく紹介した科学絵本です。
イラストがシンプルな切り絵で描かれているのに、きちんと細かいところまで理解できるのが不思議です。
おはなし会で読む絵本は、どうしても物語になりがちなのですが、1冊こういった科学絵本を入れると興味を持ってよく見てくれる子がいます。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子17歳、男の子14歳)
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