ソウタは今日もひとりでブランコをこいでいます。 足が遅くて走るのが苦手なソウタは、オニごっこで皆の仲間に入れないでいるのです。
「ぼくも はやく はしれたら たのしい だろうなあ。」 ソウタはそっと目を閉じます。 するとそこに現れたのは、暗い夜の町。 オニの子どもたちが、ソウタを「カゼオニ」というオニごっこに誘います。 オニたちを追いかけて走るソウタは、 はやい、はやい、はやい・・・! 屋根も、川の上だって、まるで風のよう。 この町では信じられない速さで走れるのです。 ソウタとオニたちの「カゼオニ」の勝負、いったいどうなるのでしょう?
この作品のみどころは、なんといっても夜の町を駆け抜ける爽快感。 シャッターの下りた夜の街並みと、鉄塔や団地、川沿いの風景にも、気持ちが高まります。 オニとソウタが鉄塔から空を飛ぶ場面は、まるで映画のワンシーンのように迫力満点!
走るって気持ちいい! 読み終わったら、どの子もすぐ駆け出したくてウズウズしてしまうことでしょう。 走るのが大好きな子にも、走ることにコンプレックスを持っている子にも手にとってほしい絵本です。 本を開けばいつでも、オニたちが走る楽しさいっぱいの世界へ連れて行ってくれますよ。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
足が遅く、オニごっこが嫌いなソウタという男の子は、公園でブランコをこいでいます。 男の子が目をつむると、頭の中の世界は、鬼の子どもたちのいる町です。 そこで一緒にオニごっこをします。オニになったソウタは、 ビューーンと風のようなスピードで、鬼の子どもたちを どんどん捕まえていきます。 最後に残るは、鬼の中で最も走るのが速いオウジ。 はたしてソウタは捕まえることができるのか?! 空想の世界で、オニごっこをするという爽快な絵本です。
主人公の男の子とおにたちとのやり取り、遊び、かけっこがとっても躍動感があって素敵です。
走っているシーンは本当に迫力があります。
シンプルな遊びである「かけっこ」を通じて自分以外の人たちと関わり、仲良くなれたこと。何でもないようなことですが、大事なことだなと思いました。 (まりっこんさん 40代・ママ 男の子14歳、女の子9歳)
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