九州の南端、開聞岳のふもとには、美しいお花畑が広がっています。村の人はこれを「特攻花」と呼んで、大切にしています。武田鉄矢が実話をもとに書きおこした戦争童話。戦争の悲惨さを静かに語りかける作品です。
8月になると日本は敗戦を振り返る式典や催しが各地で行われます。この絵本は2000年8月6日に、武田さんの読み聞かせと黒井さんの絵のスライドをみて購入し、お二人からサインをしていただきました。「特攻花」のいわれを、武田さんが金八先生よろしく読んで下さり、私は涙が止まりませんでした。(一緒に行った20歳の教え子は寝ていました…)
若い命が自身の意志ではなく戦争のために、「お国のため」というスローガンのもと、たくさんたくさん散っていった時代があったのでした。海軍非行予備学生として学徒出陣した父にもこの絵本を贈りました。読んでくれたのかどうかわかりませんが、今も実家の本棚にあります。
小学校の高学年くらいになったらぜひ読んでほしいと思います。命を大切にすることは誰でもわかっていますが、大切に出来ない子どもが後を絶たない今、色々な側面から『生命を尊重すること・尊厳』を理解して、忘れてはならないことを伝えていってもらいたいと思います。
特攻隊の生き残りとして毎年慰霊祭に参加していた父も4月に亡くなりました。 (こぶた文庫さん 50代・せんせい )
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