人工知能の発達によって、近い将来に産業構造の急激な変化が起こると予想されています。 そして、現在ある職業の多くが、人工知能とロボットによって担われることになり、多くの人間が職業を失うともいわれ、その数は全労働者の約半数とも予想されています。
未来を生きる子供たちが、人工知能を「使う」人材になれるか、それとも人工知能に「使われる」人材になってしまうのか、この2つを分けるのは「STEM」の力だといわれています。
STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering (工学)、Mathematics(算数・数学)の頭文字を集めたことばで、アメリカ国立科学財団(NSF)によって使われはじめました。 アメリカでは、この4つの知識・技能に長けた「STEM人材」を育成することが、重要な国家戦略のひとつに位置付けられており、日本でも、STEM教育の一分野である「プログラミング教育」をはじめ、その重要性が浸透しつつあります。
この4つの知識・技能に早くから興味を持つことがなぜ重要なのか。 アメリカのある研究では、高校生のSTEM教育が成功するかどうかは、初等教育の段階で興味を持てたかどうかに左右されるともいわれます。
本書は、4つの知識・技能について、子供たちが自然な興味を伸ばしていけるよう、簡潔な説明とわかりやすいイラストで構成した、STEM教育を実践できるシリーズです。 また、各テーマには、家庭でできるかんたんな実験を30以上も収録し、歴史上偉大な発見を成し遂げた科学者たちの紹介も収録。 子供が主体的に学ぶための工夫が随所に施されており、本場アメリカでSTEM教育を推進しているSTEAM Educationの推薦も受けています。
エンジニアリング編は、建物や乗り物、ギアや歯車など、便利な機械を動かす力と、その力を活用して問題解決する発明品を紹介します。 車や電車、船、飛行機、潜水艦などの乗り物好きや、工作好きの子供が喜ぶテーマが満載です。
■目次 ようこそSTEMワールドへ!/質量とエネルギー/物体が動くときにはたらく力/ビリビリ…電気のヒミツ/いろいろな材料/背の高いビルを支えるしかけ/建物がくずれないのはなぜ?/橋とトンネル/斜面とくさび型/ものをラクにもち上げるには?/車輪の役割/歯車は何のために使う?/動きの方向をかえるしくみ/のびちぢみする部品/シュッシュッポッポ…蒸気機関の世界/列車が宙にういて進む!?/車のエンジンのしくみ/自動車のハンドルとギアのしくみ/スイスイ進む船の形のヒミツ/潜水艦とホバークラフト/飛行機が空を飛ぶしくみ/ヘリコプターが空を飛ぶしくみ/農業に役立つ機械/身のまわりの環境を調べる/化学物質のフシギ/人のいのちをすくう機械/液体のエネルギーをかしこく使う/バイオエンジニアリング/電気のしくみ/資源をさがす鉱山工学/原子力と放射線/コンピューターのしくみ/コンピューター・プログラム/広くてフシギな海の工学/ロケットのパワー/さくいん
身近なもののしくみについて、タップリのイラストと分かりやすい言葉で解説してあります。
そして、「やってみよう」コーナーとして、それぞれのしくみの「キモ」の部分を、実験で確かめるための説明がついています。実験は、手頃な材料と簡単な手順でできる工作なので、取り組みやすいです。
解説の全てをすぐに理解するのは難しいかもしれませんが、実際に手を使って工作してみることで、何かしらの驚きや気づきがあり、何より子どもが楽しそうです。
それぞれのしくみは、5つのカテゴリーに分類されていて(しくみによっては2つや3つのカテゴリーにまたがるものもあります)、より深い探求に役立ちます。
*5つのカテゴリーは、システム/しかけ、材料/プロセス、生物/医学/農学/科学、構造、サステイナブル工学です。
楽しい「気づき」の一冊です。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子11歳)
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