猫好きの同僚が、ある日うれしそうに写真を見せてくれたのです。「この子を飼い始めたの。」写っているのは片方の目がつぶれてしまっている小さな可愛い子猫。 最近愛猫を亡くしてしまい落ち込んでいた彼女。何でも一目見た瞬間から私が飼わなきゃ、と思ってしまったそうです。 きっと猫好きの人にしか解らない何かを感じているのだろうなぁ、そう思っていた矢先。二人の目に飛び込んできた新刊絵本の表紙がこれだったのです!片目の開かない子猫がこちらをじっと見つめています。「あー。。。」とすっかり魅入っている彼女をよそに、読んでみると・・・。 絵本作家のとりごえまりさんが実際にこの子猫に出会い家族の一員となるまでのお話でした。印象的だったのは、出会いのエピソード。ご主人が、公園で見かけたがりがりにやせた子猫の話をちらりと作者に話すと、それから毎日毎日その子猫の事が気になってしまい、ついには探しに出かけるのです。 この時の彼女の心の動きを読んでいるだけで「猫好きの人にしか解らない何か」というのが全てが伝わってきました。小さな者を愛しむ気持、放っておけないと自然と体が動いてしまう行動力。可愛い可哀想だけではなく、その子の将来や病気の事や他のペットの事までしっかり考えられる冷静さ。もう理屈ではなく、体が反応してしまうのですね。 淡々と進む素朴なストーリーですが、小さな命の尊さを強く訴えかけらる絵本となっています。そして絵本作家としてのとりごえまりさんの基本的な姿勢を感じられる、とても純粋で心に残る絵本だと思います。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ある日公園で出会った、やせ細ったこねこ。餌も食べず、弱りきっているこねこを心配したわたしは、こねこを病院につれていきますが…。のらねこと出会い、家族の一員として一緒に暮らすようになるまでの、さまざまな悩みや不安、喜びを描いたお話。
作者が実際に公園でこねこを拾ったお話です。
野良猫を拾って飼うということは、簡単なことではありません。まして、すでに2匹の猫を飼っている
作者にとっては覚悟のいる行動です。
病院へ連れて行き、病気の検査と治療、自宅での慣らしの様子など、とても細かく
リアルな描写に自分が拾ったかのような気持ちになりました。
病気もなく、元気になて、成長した姿の写真が載っていて嬉しくなりました。
年間に約26万匹もの猫が殺処分されているとあとがきを読んで、とてもショックを受けました。
猫はゴミではありません。出来る限り多くの命が大切に扱われるよう願わずにはいられません。 (ピーホーさん 40代・ママ 女の子6歳、女の子4歳)
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