満月の夜、ちいさな魔女と、そのおかあさんのおおきな魔女は、北の国のくろい森をめざして飛んでいました。 くろい森は病気で、魔女が来るのを待っているのです。
森におりたつと、そこにはウサギにリスに、野ネズミ、イタチ、キツネ……森の住人たちが集まっています。 彼らが心配そうに見守るなか、おおきな魔女は、「森のくすり」を作りはじめます。 呪文をとなえ、なべをかきまぜつづけ、そうしてできた「くすり」を、毎日、木の根元にかけてまわるおおきな魔女。 けれども、なかなか元気にならない森に、ちいさな魔女は不安な顔をします。 「かあさん、森のびょうきはなおる?」 おおきな魔女はこたえます。 「だいじょうぶ。ゆっくりよくなるの」 そんなある日、南の国の森も病気になったという知らせがきます……。
石井睦美さんの文は、どこか「メデタシ メデタシ」とならない雰囲気を漂わせ、読者を引きつけます。 岡田千晶さんは、ふしぎな力がはたらいて何かが起こりそうな暗闇の空気と、母娘の表情をゆたかに描きます。親子らしい顔と、呪文を唱えるときのちょっとこわい魔女の横顔を。
必死で呪文を唱えるちいさな魔女が、次第に魔女らしい顔つきになっていく場面は見ごたえあり! 結末はわからない。だからこそ、くろい森の魔女のこれからが気になります。 ぜひちいさな魔女になった気持ちで読んでみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ちいさな魔女は、お母さんの大きな魔女と一羽のカラスと一緒に森の病気を治しに向かいました。大きな魔女が大きななべで、魔法の薬をつくり、森の動物たちと一緒に森にまくと、少しずつ、その森の病気も良くなっていきますが……。
ちいさな魔女が、とても健気でかわいらしいです。
南の森に行かなければならないおおきな魔女の代わりに北の森にとどまったちいさな魔女。
絵本ではそこまでしか書かれていませんが、その後が知りたいと思いました。
きっと、ちいさな魔女は、困難なことがあってもあきらめずに、森を粘り強く治していくのでしょうね。
小学校に上がったくらいのお子さんにお勧めだと思います。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子21歳)
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