話題の絵本『ちいさなあなたへ』のアリスン・マギー&ピーター・レイノルズのコンビの最新作の登場です。 やはり同じくなかがわちひろさんの翻訳で。 この絵本の中にあるのは、「今」を夢中になって過ごす「きみ」のきらめく時間。それは、みずたまりに飛び込む瞬間だったり、ばんそこうを貼る瞬間だったり、びしょぬれの犬と走り回る瞬間だったり。その無心で真剣な表情を見ているだけで込み上げてくるものがあります。自分の息子と重なりあうからでしょうか、子ども時代の事を思い出すからでしょうか。「きみ」は、ダンボール一つあればどんな冒険だって、どんな空間だって生み出すことができて、こんなにいい表情で眠りにつくことができるのです。「先のことを心配すること」も「明日のために急ぐこと」もしない、子ども時代の特別な才能なのかもしれません。 過ぎ去ってしまったら二度と戻らない、かけがいのない時間。そのことを知らなければいけないのは、大人の方。本当に大切なものを目にした時、なぜだか涙が出そうになるのです。たくさん目に焼き付けておかなければと、改めて気がつかせてくれるこの絵本は、大事な一冊となりそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
60万部のロングセラー「ちいさなあなたへ」で日本中を涙させた『ちいさなあなたへ』の男の子版ともいえるような、“今”に夢中になれる“君”へ贈るメッセージ。目の前のものに夢中になっている子どもの「今」を応援したい!というママパパの思いをのせて、待望の復刊です。“きみが いま むちゅうなのは…きいろい カップ、 おはようの うた、 きらきら まぶしい あさの ひかり、 にじいろに かがやく むしの はね、 そして…おおきな ダンボールばこ”子どもならではの夢中になれる才能のこと、今、この瞬間にしか味わえない、かけがえのない時間のことなど、子育てに追われて忘れがちな大切なことが描かれています。“さきのことなんて しんぱいしない あしたのために いそぐこともしない だから…おおきな ダンボールばこに むちゅうになれる”お子さんの夢中を話しながら、いっしょにページをめくってください。
今は大人である自分に『大切な何か』を教えてくれる
ピーターレイノルズとアリスンマギーの絵本。
そして翻訳のなかがわちひろさん。
それを感じることができるのは
日本語に訳されているからこそ。
いつも翻訳家の方々には
感謝の気持ちを持って読ませていただいています。
◯絵本の感想◯
夢中って最高。
主人公の男の子が成長するにつれて
V夢中になるものVが
少しずつ変わっていくけれど
さりげなく絵の中には何度も同じものが登場。
それがとっても好き。
子育てってなんだろう。と考えることもあるけれど
この男の子のように夢中になることがあれば
それでいいんだ。そう思わせてくれる。
ピーターレイノルズの作品『てん』を
読んだときにも感じた、夢中って最高で最強。
『きみがいま』では、我が子と重なり
より身近な目線で感じることができる。
最後に、アリスンマギーが
「わたしをソリにのせて丘の上まで
ひっぱってくれた父へ」「愛と尊敬をこめて」
と自身のお父様に向けての絵本だと記されており
大人になった今でも子供のころの思い出を
お父様に絵本を通して伝えるなんて
なんて素敵なことなんだろう。と
最後の最後まで胸をあたたかくしてくれる作品です。 (hanbun.kodomoさん 30代・ママ 男の子4歳)
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