中一の草子は、学校に行けなくなってしまい、今は図書館に通う日々を送っている。 ある日、ふとしたことをきっかけに、初めてレファレンスを希望する。
やがて司書の深津さんから渡されたのは「しずかな魔女」というタイトルの白い紙の束。 ふたりの少女の、まぶしい、ひと夏の物語だった。
物語を読み終えた草子の胸に、新しい何かが芽生える。 それは小さな希望であり、明日を生きる力だった。
国語の問題の教材として使用されていたので、読んでみました。
冒頭、不登校の中学生の図書館通いから始まり、どんな風に話が進んでいくのか本当に読めませんでした。
ふとしたきっかけで話すようになった図書館のスタッフさんとの少ない会話の中から、表題となる『しずかな魔女』の作中話へと発展していきます。
その部分は小学生の女の子二人の一夏が描かれており、キラキラ光る明るい女の子と静かだけど心優しい女の子の交流が、とても可愛らしくて楽しそうで、ぐいぐい引き込まれていきました。
そんなお話の中にも影が差している部分もあり、メリハリがあってとても良かったです。
だからこそ、冒頭と終盤にある不登校の中学生の、もどかしいほどに悩ましい気持ちが浮かび上がってきているように感じられました。
そんな中学生の女の子も、『しずかな魔女』に倣って両親へと手紙を書く・・・というくだりには、一筋の光を感じました。
ただ暗いだけで終わらず、何処かへと続きそうな希望が感じられたラストだったのは、良い読後感になりました。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子9歳)
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