「あした、めんどうなさいばんしますからおいでんなさい」 ある土曜日の夕方、一郎のところへとどいた変なハガキ。だれがいちばんえらいのか、どんぐりたちの訴えに困った山猫はその判決を一郎に託すが・・・。宮沢賢治の名作を、独特なタッチで生きいきと描く。美しい木目に懐かしい自然の風景が浮かび上がる。賢治の物語に自然の息吹を吹き込む佐藤国男のオールカラー版画絵本。
この宮沢賢治の童話は、とっても不思議なお話です。
一郎が1枚の怪しげな葉書に誘われて山猫を訪ねて行くのですが、途中で道を聞いても、その通り行かないのは何故でしょう?
馬車別当とのやり取りもチグハグならば、一郎が下した判決も意味不明です。
それらを引っくるめても、とても魅力あるお話なのは、佐藤国男さんの版画の説得力によるのでしょうか。
力強い線が、お話に感じた疑問を打ち消してしまいました。
むしろこの不思議さが、このお話の魅力かも知れません。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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