歴史のひとこまを力強く描く感動作品
一人のイギリス青年が、一枚のゴッホの絵をきっかけに訪れた南仏カマルグで、原因不明の高熱におそわれ動けなくなる。辺りにはフラミンゴが無数飛んでいた。気を失った後、助けられた家で不思議な話を聞くことになる。 第2次世界大戦の末期、南仏の田舎町カマルグにもナチスはやってきた。 そこで何が起きたのか………? それは、フラミンゴと話ができる不思議な力を持つ少年とロマの少女の物語だった。
【編集担当からのおすすめ情報】 『戦火の馬』など、数々の児童文学書賞を受賞しているマイケルモーパーゴの新作長編。モーパーゴは、現代英国児童文学を代表する作家として、2018年に勲章を授けられている。 戦争をテーマに多くの作品を執筆。 本作品は、フランスの南部、フラミンゴの生息地カマルグが舞台となっている。ナチスが侵攻してきたフランスで、何が起きたのか・・・。フラミンゴを愛する少年とロマの少女の物語。
モーパーゴの作品は、片端から読破してきた私ですが、この作品はヒューマニズムに包まれていながら、疑問の多い作品で戸惑いを覚えました。
ドイツ兵ブレンナーはどうして、発達障害児のロレンゾを擁護し、ジプシーのケジア家族の力になろうとしたのでしょうか。しかも、間もなくアメリカ軍がやってきて戦争が終わるなどと敵国贔屓ができるのでしょうか。
障害者、ユダヤ人は駆除すべきだと、ナチスは狂気に満ちた行為を行い続けたのに。しかも、彼は指導的立場にいるのです。
明らかに自国の政策、思想に反逆しているこの男を中心に、物語は大きくかじ取りされます。
半信半疑ではありながら、モーパーゴは、読者を感動の渦に巻き込みます。
フラミンゴの群れが生息するという南仏の大自然を舞台にした、信じられない物語ではありました。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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