どんな話が探偵依頼になるかというと、それはもうおもしろいのに有名じゃない、ストーリーとタイトルがあわないのでみつけられない、というお話で、そういう意味ではこの“火打ち箱”は依頼ナンバーワンでしょう。みなさんが覚えているのは茶碗くらい大きな目玉の犬と水車くらいの犬と塔くらい大きな目玉の三びきの犬なのに、タイトルが火打ち箱なのですから。そういうわけで作ってみました。イラストというかアートはあの!漫画家の高野文子さんです。どうやって作ってるのかよくわからないし、すごく変わっているけどすごくいいよ。大人が眺めてあきないアンデルセンができたと自負しています。 (本の探偵・赤木かん子)
「火打ち箱」というお話は、『子どもに語るアンデルセンのお話・2』(松岡享子編、こぐま社)を読んで知っていましたが、この『火打ち箱』を作るのであれば、正直、これ以外のアンデルセンのお話が良かったのではないかと思います。
何たって、高野文子さんが作ったペーパークラフトで表現された絵本なのですから。でも、もしかすると、大きさが違う犬の3匹が登場するところが、高野さんにも読者にも大きなインパクトを与えたのかも知れないですね。
高野さんが、ペーパークラフトの撮影に悪戦苦闘している場面があとがきに描かれいますね。単に切っているだけでなく、立体感が出るように、構図や紙の重ね方、照明による陰影の付け方など、随所に工夫が凝らされています。
この本を見たら、必ず自分も作ってみたいという子どもが間違いなく出てきます。(私も思いました。)そして、実際に作って見ると、本との大きな出来の違いにかんしゃくを起こすでしょう。しかし、それは子どもが乗り越えていかなければいけない道ですね。もう一度、挑戦してもらいましょう。(私もがんばります。) (はしのさん 40代・パパ 男の子15歳、女の子13歳)
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