大人も子どもも“名作を読もう” 安房直子+いもとようこ 不思議な風の子と、目の見えない女の子をつなぐのは、本当の空からもらった青、真っ赤な紅ばらからもらった赤、海の歌……。あざやかな色と音が奏でる美しい物語。
目の見えない娘にひとつ色を教えられるなら空の色を教えたい、そう思ったいす作りの父が青い絵の具を探していると、空の絵を描いている不思議な男の子に出会う。男の子は空にかかった虹から青い絵の具を取っていく。
安房直子さんのなんとも幻想的な世界です。
盲目で生まれてきた少女のために、作ったゆりいすを空色に塗ろうと思った父親。
空色の絵の具を差し出した少年。
風の子だという少年が、少女のために差し出すものに、なんとも言えない思いやりを感じます。
少女と少年の成長と、二人の結婚に現実感はないのですが、不思議な物語の中に、見えないからこそ見える心の色があるように思いました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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