ある日、おじいちゃんのうちに、おきゃくさまがやってきました。 ほわほわ白くて小さくて、とても可愛いおきゃくさまです。 なんだか、ぼんやり透けてるみたい? 「とうとう来たね、まってたんだよ!」 おじいちゃんは、大喜びで迎えます。
このおきゃくさまが たずねてきたら、たびのしたくを しないとね。
おきゃくさまは、お金も服も必要ないと言いますが、おじいちゃんは、あれもこれもと旅の支度をします。 「むこうについたら おくさんが むかえに来てくれますよ」 そんな言葉にいそいそおめかししたりして。
そして次の朝、支度の整ったおじいちゃんとおきゃくさまは出発します。 雲ひとつない、旅に出るのにぴったりのいいお天気……。
これは、死を描いた物語。 けれども、なんて軽やかなのでしょう。 おじいちゃんの表情、言葉は、私たちを心穏やかに、安心させてくれます。 さみしくも悲しくもありません。 だって、向こうで大好きな人たちに会えるんですから。
誰にも訪れるその日を、幸せな「旅」として描いた、韓国発の絵本。 主人公のおじいちゃんも、旅のおともの「おきゃくさま」も、何ともチャーミング。 ところどころに韓国のお国柄が伺えるのも味わい深いです。
満開の桜に見送られるおじいちゃん。 こんな風に旅立ちの日を迎えられたらいいなあと、思わずにはいられません。 ラストでは涙がこぼれてしまうのですが、胸にはきっとあたたかなものが残ります。 子どもたちに肯定的に死を伝えられる絵本であり、大人の心も慰め支えてくれるような、 いろいろな年齢の人に手に取ってほしい一冊です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
【第2回TSUTAYAえほん大賞 8位入賞!】
静かに暮らすおじいちゃんのもとに、ある日、おきゃくさまがやってきました。おじいちゃんは大喜びで、旅に出る支度を始めます。
誰にでも訪れる「旅立ち」を、あたたかくやさしいまなざしで描いた韓国の絵本。
表紙におじいちゃんと一緒にいるのは
子ども?いや・・・おばけ?かな?
「旅支度」って、「死」?ってこと?
・・・なるほど・・・
残された家族にとって
「死」=別れ=悲しみ=辛い=淋しい
と、ネガティブに捉えがちですが
こういうふうに考えると
残された家族、友人にとっては
違う側面に気づかされるように思います
おじいちゃんったら
コミカルに、最後には
ホッとさせてくれるように
展開しています
桜の絵がとてもいいです
生ききったおじいちゃん
みんなが待っているところへ
向うのですもの
いつか
自分が行くまで、まっててね
って、思っちゃいます
時計が夜の12時なので
♪おおきなのっぽの古時計〜♪
を思い出してしまいました
素敵なおじいちゃんですよ (しいら☆さん 50代・その他の方 )
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