さかなのいちにちがはじまります──
ちいさな水槽に入った、1匹の青い魚。 でも、ただの魚ではありません。
魚はくいしんぼうなので、ごはんを食べます。 おにぎり、りんご、バナナにピーマン!?
魚は絵の才能があるので、絵を描きます。 てんとう虫からダルマまで、赤いものコレクション!
魚は頭がいいので本も読みますし、緑にかこまれると落ち着くので、森でお散歩だってします!
そう、魚はいろんなことができるので、いろんなことをします。 ロケットにのって、宇宙を目指すことさえ! だって魚には、会いたい相手がいるのです──
魚にしておくのはもったいないくらい多彩な魚の、にぎやかで、もりだくさんな1日を追います。 本作は、デビュー作で第12回「MOE絵本屋さん大賞 2019新人賞」第1位を受賞した、ひろたあきらさんの2作目!
笑えて遊べる絵探し絵本に、思いもよらない力強いメッセージの込められていた前作『むれ』。 本作でも、ユーモアたっぷりな魚の1日を追っていくうちに、思わずハッとさせられる展開が待っています。 普通とは違う、おかしな魚の物語として読んでいたのに、終盤に突然、魚の気持ちと自分の気持ちが重なり合ったような、フシギな体験……。
ひろたあきらさんは、コロナ禍のステイホーム期間中に、この絵本の着想を得たとのこと。 その経緯を知ると、なるほどと納得! 未だコロナ禍の只中にいるからこそ、この魚の物語は多くの人々に、おどろきと共感を呼び起こすはず。
ちなみに本編とは関係ないのですが、魚が勉強をするシーンで、ひらかれた本にはこんな一文が。 「わたしたちはにんげんといいます。でたらめでやさしいいきものです。」 ひろたあきらさんのあたたかな人間観が垣間見える、ちいさなみどころです。
(堀井拓馬 小説家)
今、どこに行きたい? だれに会いたい? ステイホーム中に生まれた物語
さかなの いちにちが はじまります。
本を読んだり、絵を描いたり、花に水をあげたり・・・・・・。 ちょっと不思議なさかなのいちにちを、文章の問いの答えを探しながら読み進めてみてください。 最後にはっと、気づかされます。
第12回MOE絵本屋さん大賞2019新人賞第1位を獲得した『むれ』に続く、ひろたあきらの絵本第2作目。 想像力を膨らませながら読んでみてください。
※この本は必ず最初から読んでください※ 優しい絵に親子で楽しんでいると、最後にドキッとさせられる。きっと読む人にとって感じ方の変わるラストだと思う。――3歳女の子のママ 考えさせられる本。そのあとさかながどうなったか、子どもたちと話してみたい。――4・5歳クラスの保育士
水槽の中の魚の一日を描いたお話です。
魚が、本を読んだり絵を描いたり、何だかシュール。と思ったら、この絵本、作者のひろたあきらさんがコロナ禍で外出できずに部屋にこもっている自分を、水槽の中の魚みたいだ!と思ったことから生まれたのですね。面白い発想。
そして、最後、また同じいちにちがはじまるのかなと思ったら?さかなはどこへ行ったのでしょうか。 (tori.madamさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子4歳)
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