卵からうまれたむしのあかちゃんが大きくなって、卵をうむまでを描くいのちの物語「むしのたまご」シリーズ。 今回の主人公は、子どもたちに大人気の「かぶとむし」です。
かぶとむしぶんぶんちゃんの一生を追いながら、かぶとむしの生態についても学ぶことができます。 かぶとむしは飛ぶけれど、とまるのが下手なこと。 メスはツノがなく土に潜りやすいので、柔らかく栄養のある土の中で卵を生むことができること。 などなど…知っているようで知らなかったかぶとむしの特徴を、いろいろと発見できます。
作者は、「インタープリター」(自然解説員)として長年活動され、自然公園や幼稚園・保育園などで自然あそびのワークショップなども行っている、ねもとまゆみさん。 お話を読みながら、かぶとむしと同じ目線になって見たり感じたりすることができ、本当にねもとさんのワークショップに参加しているような満足感を得られます。
夏のおうさまとも言われるかぶとむしですが、実は冬も春もかなりドラマチック。 長い時間眠り、土をいっぱい食べ、羽化に向けて懸命に成長する姿を見ていると、ますますかぶとむしのことが好きになるはずです。 そうして今度また夏にかぶとむしに出会ったら、その感動はもっともっと大きくなるでしょう。
(出合聡美 絵本ナビライター)
暑い夏でもすずしい土の中で、ぶんぶんちゃんはうまれました。いっぱい食べて大きくなって、脱皮して、さなぎになる前に体をくねらせて自分のへやをつくって……土の中でぶんぶんちゃんの姿が変わっていきます。ようやく成虫になり土の外に出たぶんぶんちゃんは、飛ぶのがちょっと苦手で、木のしるが大好き! やがてオスのつのつのとなかよくなったぶんぶんちゃんは、どんな卵をうむのかな? 生態をふまえた、楽しいお話絵本。
かぶとむしの一生がとてもわかりやすく書かれています。
交尾をして卵を産み、幼虫になり、蛹になってと成虫になるまでの細かな描写も丁寧に描かれてあるので、かぶとむしが生まれる前に読むのに適していると思います。
内容的には、4,5歳児くらいになるほうがよりわかりやすいのかな?と感じました。
表紙のイラストの雰囲気が色合いと言い、かわいいむしの絵本シリーズのの絵本と一見、似ていて混同しやすいところが★をひとつ減らした点です。
(Pocketさん 40代・ママ 女の子21歳、男の子17歳)
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